宮沢周「アンシーズ~刀侠戦姫血風録~」

このコスチュームでアンシーなんていうと、どうしたって「あなたは世界を革命するしかないでしょう」っていうアレを思い出さずにはいられないよ。まあ、狙ってやってるんだろうけど。
話の雰囲気としては「ウテナ」とは全然違って。あ、でも、一応百合っぽいところは似てるのかも。かなりゆがんでいるけど。なにしろ、「抜刀」により刀のかたちをした「男」を抜くと、残った人間の部分は女になってしまうという設定で、その上で百合っぽいことをしてるんだから。そういえば、ビジュアル的には全然違うけど、身体から刀を抜くっていうこと自体がアンシーなんだよなあ。やっぱ、狙ってやってるわ。オマージュってヤツなのか。
設定上の性転換とは別に、きっちりと女装少年を出してきているっていのが、今風だな。「責任」がらみの話には少々鼻白んだけど、基本的には性倒錯バリバリのアクション小説って感じで、おもしろい。どう見ても続編が出そうな終わり方であるものの、一巻モノとしてもよくできてる。

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葵せきな「生徒会の月末 碧陽学園生徒会黙示録2」

このシリーズくらい本編と外伝に分けている意味がないのも珍しいなあ。もしかすると、本編というのは「議事録」の始めと終わりのところだけなんじゃないか。サンドウィッチをパン食だっていっているようなもんだから、そんなに間違いでないのかもしれないけれど。
という話はさておき、今回は宇宙姉弟と中目黒君の出番が目立った。中目黒君はともかくとして、宇宙姉弟なんてすっかり忘れていたので、一瞬新キャラかと思ってしまったじゃないか。どうもこのシリーズを読んでいると、すべては生徒会室の中で話が進んでいるかのように思い込んで、他のことはすっかり頭から抜け落ちてしまうようだ。あと、これは意図的にかもしれないけど、出てくるキャラ出てくるキャラすべてうざい。うざいってことば滅多に使わないんだけど、こうしてみるとこのことばじゃなきゃ表現できないことってあるんだなあと思った。特に「コイツは早くクビにするべきだろう……」の杉崎はうざい。こういうメインキャラのうざさにくらべると「ボク、もう合コンなんて行きませんからねっ!」の女の子たちなんか、まったくもっておとなしく思えてしまうんだが、そういうのって作品のテーマ的にはどうなんだろ。

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逢空万太「這いよれ! ニャル子さん 3」

ニャル子さんとクー子の休日に付き合わされてお買い物に出掛ける真尋だったが、休日だからって地球を狙う輩がおとなしくしているわけもなく、やっぱりまた面倒ごとに巻き込まれてしまう。今度の敵はイースの偉大なる種族の強硬派。クトゥルー神話のことはよく知らないから、どちらかというとYsのほうを連想してしまうなあとか思っていたら、しっかりネタにされていた。この小説は、こういう小ネタがあちこちにちりばめられていて、半分以上はきっとわかっていないんだけど、雰囲気で読まされてしまうようなところがある。
で、その強硬派を追って地球にやってきた穏健派が、ちょっとした手違いでニャル子さんと真尋の精神を入れ替えてしまったから大変。なにしろ、入れ替わった相手は這い寄る混沌である。真尋の肉体が無事で済むなんてことがあるのか。みたいな話でどこまで暴走するんだろうと期待していたが、意外とおとなしくまとまってしまった。ニャル子さんならもっと飛ばしてくれると思ったのにな。

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川原礫「ソードアート・オンライン2 アインクラッド」

「アテンクラッド」って副題かと思ったら、タイトルの一部だったんだなと変なところが気になった。
それはともかく2巻である。1巻で一応話は終わっていたような気がするんだけど、なんで続いてるんだろうと思って、1巻を探してみたらちゃんと「ソードアート・オンライン1」って書いてある。最初から続けるつもりだったのか。
で、どうだったのかというと、2巻は短編集になっている。キリトを巡る一般のプレイヤーたちの話。まあ、キリトと関わるくらいだから、一般っていってもかなり高レベルプレイヤーだけど。ちなみにだいたいは女性キャラ。今回はロリ成分も補充している。そしてみんなキリトに惚れる。ほとんどハーレム状態だから、これが1巻のラストにつながるとどうなるんだろうと思ってしまった。みんな生きてゲームクリアを迎えたんだろうか。

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須賀しのぶ「アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋」

今回はあとがきにもあるように覚野ががんばった回。しかし、がんばったとことろでどうしようもないところまで事態は進展している。陽菜が自分の正体を理解し始めたり、ついに実戦に投入されてしまったりと、もう一介の中学生には手が届かない世界に足を踏み入れている。しかも、陽菜自身も一般人の世界には戻らない方がよいと考えるようになっては、覚野にどれだけのことができるだろう。というような感じで、いっしょに歯がみするもよし、苦悩する少年を眺めて楽しむもよし、と妙なところで読者層の広さを感じてしまう話になっている。ともあれ、アンゲルゼも残すは4巻のみ。この時点ではどんな着地点が用意されているのか、まったくわからないが陽菜や覚野たちの行く末を見守りたい。

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藍上陸「アキカン! 9缶めっ」

前の巻は少し本筋から離れた話だったので、元の話を忘れつつある。アキカン・エレクトってどこまで進んでいたんだっけ。と思いつつ読み始めたら、今回は男屋と愛鈴ちゃんの過去の話から始まって、アキカン・エレクトの新ルールが決まったり、最強のアキカンが登場したりと、ちゃんとお話が進んだ巻だった。あと、忘れちゃいけないのが、なじみの話。しばらく中だるみ気味の話が続いたせいか、いろいろ盛りだくさんになっている。それはいいんだけど、この話の進み方からすると、次の巻あたりではもう新ルールのことなんか忘れられそうな気がする。

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小幡休彌「くりぽと すくすく☆魔法少女」

「超自宅警備少女ちのり」のひと。しばらく続きが出ないなあと思っていたら、別のシリーズを立ち上げていたのか。「ちのり」はもうお終いなのかな。あれはあれで楽しみにしていたんだが。
さて、この新シリーズ(だよね?)は、魔法少女版「ロウきゅーぶ!」というべき作品になっている。要するに、小学校高学年の少女たちと、それを指導する立場になった少年との交流を描いた話。って、いざ文章にしてしまうと「二十四の瞳」みたいだ。もしかするとあのあたりが本当のルーツなのかもしれん。とはいえ、「ロウきゅーぶ!」タイプの小説っていったほうが通りはいいんだろうなあ。
「ロウきゅーぶ!」の女の子たちが基本的にはいい子ばかりなのに対して、「くりぽと」の登場人物は問題児揃い。アルバイトの講師として、魔法少女専門の進学塾で働くことになった主人公に対して、数々の嫌がらせをして追い出そうと試みる。はたして、主人公は彼女たちの先生として受け入れてもらえるのだろうか、といったところがこの巻のお話。お話の出来はそこそこ。キャラクター小説としてもそこそこ。もうひとつ何か欲しいなあという気がする。

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川岸殴魚「やむなく覚醒!! 邪神大沼」

ある日家に帰ったら、机の上に「初心者らくらく邪神マニュアル+スターターキット」が置いてあり。みたいな流れで始まる邪神初心者大沼くんの日常を描いたお話。邪神っていっても、高校生になるまで自分が邪神であることを気が付かなかった粗忽者なので、シリアスな展開は今のところ、ない。ほとんどギャグ一色。特筆すべきは、主人公なのに女の子にもてないところ。コメディ系のライトノベルとしては非常に珍しいんじゃないだろうか。たぶんこの先も、世界を征服しようとか、人類を滅ぼそうみたいな話にはならないと思われるが、もしかするとギャグとしてそういうことを始めそうな気もするあたりが怖い。「初心者らくらく邪神マニュアル」を始めとした。小説内ドキュメントも小ネタが効いておもしろい。ノリが合いさえすれば、とても楽しめる。当たり。

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伏見つかさ「ねこシス」

あとがきによると「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のプロトタイプ的な作品なんだそうだ。本文を先に読んだ感想としては、うーん、これがああなるのかという複雑なもの。たしかに千世子は黒猫そのものなんだけど、それ以外はそんなに似ているとは感じなかった。もしかしたら、猫又と人間との対比が、逸般人と一般人との対比につながっているのかもしれないけど、そういうふうにも思えなかったし。どちらがおもしろいかといえば、圧倒的に「俺の妹が~」なので、プロトタイプとしての役割は果たしているんだろうけど、これはこれで別の作品の母体になりそうな気もする。まあ、どっちにしてもこれはプロトタイプ止まりの作品だな。猫耳少女を可愛く描くというっていう点だけならかなりいい線いってるんで、かんざきひろの絵がメインのビジュアルノベルにでもすればよかったんじゃないのかな。

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神林長平「敵は海賊・短編版」

短編版なんて出たんだと買ったはいいが、初出一覧を見たら、1981年、1984年、1999年に各一編ずつ、書き下ろしが一編。ということで25年間に四編というおそろしいスローペースっぷりにひびった。ちなみにこのうち、1981年発表の「敵は海賊」と1999年発表の「わが名はジュディ、文句あるか」は読んでいるはずなんだけど、さすがにほとんど忘れてるわ。それでもアプロとラテルはお馴染みって感じるんだから、キャラクター小説としてもかなり強力なんじゃないか。ちなみにラジェンドラが出てこないのは、単に短編ではラジェンドラの出番が少ないから。理由はあとがきにも書いてあるけど、作者が「等身大のラジェンドラ」を書けないせいらしい。そのあたりのこだわりは一読者としてはよくわからない部分もあるんだけど、短編に書けないんだったら、もっと長編書いてくれと、これは切に願いたい。

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平坂読「僕は友達が少ない」

前作が「ラノベ部」で、今度は「隣人部」である。要するに隣人部という部活のメンバでだらだらする話。「隣人部」というタイトルにするのは気が引けたのかもしれないけれど、「僕は友達が少ない」というタイトルもたいがいだと思う。もっとも、「隣人部」なんてタイトルにしたら「ラノベ部」のノリを期待して買ってしまうひとがいるかもしれない。あれにくらべるとだいぶ電波が入ったねじくれたキャラばかり出てくるから、このタイトルそのものは正解じゃないかとも思う。しかし、「友人が少ない」っていうタイトルも偽りありで、実のところ「友達がいない」ヤツばかりなんだよなあ。それでいて、主人公はしっかりヒロインとのフラグ立てに成功しているんだから、どうしてやろうかと思う。

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丈月城「カンピオーネ! III はじまりの物語」

3巻にしてようやく護堂がカンピオーネになったとの話。なんだけど、ウルスラグナとの対決が期待したほどではない。人間が神を倒すんだから、もう少しいろいろあってもいいと思うんだけどなあ。その代わりといってはなんだけど、ツンツンしているエリカを拝めたのはよかった。護堂べったりっていう印象しかなかったから、こういうのを見せられると新鮮でいいなあと思ってしまった。エリカとああいうふうに知り合って近しくなったというのに、祐理に惹かれてしまう護堂ってのもなんだかなあ。やっぱり、あの祖父の血が流れてるんだなあとしみしじみ思ってしまう。

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成田良悟「世界の中心、針山さん 3」

今回の針山さんは、中編が1本、短編が2本、おまけが1本といった構成。この中では中編の「なよ竹の姫君は伝奇パンダの夢を見るか」がよかった。タイトルから想像が付くとおり、どことなく「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を思わせるような話になっている。造られた人間の少年とと、造られた「非」人間の少女との、ボーイミーツガールストーリ。伝奇パンダの伝奇ってのは電気羊の電気にかけただけで、とりたてて意味はないんじゃないかと思う。あとがきによると、本書のイラストを描いているヤスダスズヒトのオリジナルキャラクタからインスパイアされたらしいのだが、絵面だけ見ると「らんま1/2」だよなあ。それがどうしてディックになってしまうんだろう。

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伏見ひろゆき「R-15 こんにちは、ぼくの初恋」

うーん。いまひとつ面白くならないなあ。主人公の天才エロ小説家という設定があまり生きていないっていう感じ。小説の中で何回か出てくる主人公が書いたエロ小説というのが、とても天才が書いたものとは思えないお粗末なものなのも興ざめ。今回の才能テストのお題はまあありかなとしても、たいしたドラマもなく合格者が続々と出てしまうというのも、ちょっとひっかかる。天才ってのは何をやらせてもこなせてしまうというひとたちのことではないと思うんだけどなあ。キャラとしては今回は成子が突出してよかったけれど、次回以降は出てこないんだろうし。謡江と吹音ではどうも弱い。来夏はにぎやかしキャラのままで通しそうだし、蘭あたりが化けてくれれば何とかなりそうなんだけどなあ。

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蒼山サグ「ロウきゅーぶ! 3」

前の巻が真帆と竹中の話で、この巻は愛莉と葵の話。だというのに、メインヒロインはどうみても智花。こういう不動のヒロインがいるシリーズって、強いよなあ。世間的にはあれだけど、智花の恋は実らせてあげたいと思ってしまう。
さて、今回の話。前の巻で、葵なんて幼なじみキャラ出して、何か役に立つことあるのかと心配していたのだが、この巻でようやく立ち位置も決まったみたい。未だに無理矢理押し込んだような印象も残っちゃあいるけれど、この流れていけば、昴のよき協力者となってくれるんじゃないかな。恋愛関係ではかませ犬になりそうだけど、報われないキャラ好きの読者ってのも少なからずいるはずだから、問題なし。昴とどうこうっていうのも、いつの間にか忘れられて、別方面で活躍するっていう方向性もなきにしもあらずで、そっちはそっちで読んでみたい。

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牧野修「少年テングサのしょっぱい呪文」

電撃文庫が牧野修に声をかけるなんて思わなかったから、興味津々で買ってしまった。
読み終わってみると、意外にもジュブナイルと青春小説の間ぐらいの話だった。設定は牧野修らしさを感じるけど、あまり電波っぽいところもなくて、かなりセーブされて書かれている。もしかすると、こういうふうに抑えた書き方すると、地が出ちゃって思わず青春小説になってしまうのかもしれない。これはこれで悪くないけど、せっかくライトノベルのレーベルで書くのなら、ガガガ文庫あたりのほうがしっくりくるんじゃないかなあ。電撃は、田中哲弥あたりでひとつ。

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今日は宴会

なんだかひさしぶりに宴会。ビールとワインと清酒を呑んで、料理は鶏肉中心。まあ、そんなに悪くなかった。最近は、宴会に行ってもペースを抑えられるようになったから、わりと平気でこういうのを書いていられるようになった。進歩したなあと、素直に思う。

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時雨沢恵一「キノの旅XIII」

もともと風刺っぽい話ばかりのシリーズだが、この巻は特にそれが目立った。持って回った話ではなくストレートになってたり、時事ネタを扱ったりするようになったってあたりが気になったんだと思う。何か思うところがあったんだろうか。「百年後に本書を読まれる方へ」みたいな小ネタを入れて防衛線を張っているところを見ると意図してやっているのは間違いない。
普通、小説ってのは風刺臭が強くなると面白くなくなるモノだけど、これはどういうわけかこのくらいのほうがおもしろく感じる。キノとエルメスが思想的なことなんかどうでもいいって思っていて、ただ旅を続けること、そのためには何をしたらいいのかってとこだけを考えて行動しているのがいいんだろうな。

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小河正岳「ウェスタディアの双星 4 乙女の猛攻に名軍師苦戦するの章」

ペルシャのお姫さま風の新キャラ、シャーラ登場。クーデターから逃れてウェスタディアに庇護を求めてきた、隣国シャムラバードの公女である。今回はこのシャーラがアルファーニに恋慕してローゼがやきもきする話。あーっと、やきもきって感じじゃないか。かなりふさぎ込んじゃってるもんな。その理由のひとつが、シャムラバードの習俗。女性は積極的に性的アピールをすべし、みたいな。で、シャーラのスタイルがいいものだから、お子様体型なローゼとしてはいろいろと思うこともあるわけだ。ま、そういった作劇上の話とは別に、このシリーズにも少しお色気成分を注入してやろうという意図が見えないでもない。このシリーズがいまひとつぱっとしないのは、それが理由じゃないんだけどなあ。わかってるのかな。

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野村美月「“文学少女”見習いの、初戀。」

“文学少女”シリーズの外伝というか続編。どっちだ。よくわからない。“文学少女”シリーズといえば、遠子先輩で持ってるようなもんだから、遠子先輩が卒業したあとの話を描くこれは外伝的な物だろうと思っていたのだが、読み終えてみるとこれも確かに“文学少女”シリーズだなあという気になった。
主人公、日坂菜乃は聖条学園の新入生。心葉にひとめぼれして文芸部に入部したのはいいが、遠子先輩ひと筋になった心葉に相手にされるわけもなく、それではと、“文学少女”見習いを始めることになった。しかし、この文芸部の部員は何かと事件に巻き込まれるというのがお約束。菜乃もしっかり「曽根崎心中」をイメージさせるような事件に巻き込まれていく。ここで、遠子先輩の位置に来るのが、心葉「先輩」。はたして、遠子先輩のように事件を読み解くことができるのか。といったところ。
正直、遠子先輩のおいしそうな物語の「語り」が読めないのは物足りないけれど、この菜乃編でもまた別の読みどころを作ってくれるんじゃないかと期待しておこう。

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白瀬修「おと×まほ 7」

モエルが彼方の前から姿を消す。誰にも頼らずモエルを探そうとする彼方だが、そんな彼方を回りが放っておくわけもなく、いつのまにやらチューナの本部にみんなで殴り込み、みたいな話になってしまう。チューナの元締めである瀬乃も登場して、これの相手はもちろん彼方が務めることになる。途中で邪魔する中ボスクラスは留真、依、いいんちょ、エフェクトが相手をする、っていう使い古された展開。それなりに盛り上がるけど、もうひとひねり欲しかったかな。瀬乃とと彼方の戦いもどこかでみたような展開になっているけど、こっちは「こうでなくっちゃ」と思えてしまうのが不思議。作者の愛の差なのか。

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松智洋「迷い猫オーバーラン! 5」

今回は竹馬園夏帆が表紙。夏帆が迷い猫というわけではあるまいし、どんな話になるのかなあと思ったら、ほとんど気にもしていなかった珠緒先輩の話だった。ストーリそのものは、ほとんど先が読めてしまう展開であまりおもしろいとは思えなかったが、それだけに千世と希と文乃がヤキモキする様子が妙に微笑ましい。巧のこと、鈍感っていっているわりには、結局巧のことしか見えてなくって、ほかのひとの気持ちには気が付かないんだなあ、と。これが恋ってヤツですか。
夏帆に関しては次の巻に期待ってことでいいのかな。どんな暴れっぷりをみせてくれるのか、いまひとつ予測が付かないキャラだけに楽しみだ。

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竹井10日「東京皇帝☆北条恋歌 3」

キャラとか設定もいろいろおもしろいけど、このひとの持ち味は文章そのものだなあと、いまさらながらに実感。この文体、もしかしたら飽きるのも早いかもしれないけど、いまのところは文章にのせられてどんどん読み進んでいってしまう。油断していると、吹き出しちゃうようなこともあるので、公共の場所では注意が必要である。
この巻は学園の臨海学校が舞台。場所は八丈島。そこでとある事件により一斗と恋歌が急接近する。来珠がそれに反応して、さらにいつものように一斗が流されちゃって、自体は意外な方向に。その一方で、人型怪蟲が現れて八丈島が戦場になったりして、わりとストーリも進めているんだけど、この巻の読みどころはそんなところではなく、ゆかり子元帥閣下のダメダメっぷりだろうなあ。2巻まではまだ恋歌、来珠あたりといっしょになって、一斗に恋心を向けているようなふうではあったけれど、この巻ではすっかり置いてきぼり。不憫だなあ。

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田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc 3」

ギャルゲヱの世界でdisc3とかいうと超大作のようだけど、ライトノベルだとそうでもないっていうあたり、ミスマッチだなあと思ったり。
今回は、春姉と夏海に焦点をあてたお話。都筑家の家計が苦しくなったのは、本来この世界にいるはずのなかった自分たちのせいだとして、春姉が家族に内緒でバイトを始める。それを知った主人公は自分もバイトしようというが、春姉に拒まれてしまう。そんな折、「エターナルイノセンス」のファンディスクから投影されたかのような、春姉と夏海の父と名乗る人物が現れる。
というような流れで、都筑家の経済事情というリアルな課題をネタに話を広げていく。ギャルゲヱの世界を現実に投影したところで、現実的な物事はリアルに存在しているんだよ、っていうのがこのシリーズのテーマみたいな感じになってるなあ。それさえも小説上の物事って思えてしまうことろが、構成上の弱点か。それが気にならなければ、そこそこ楽しめる。

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森博嗣「少し変わった子あります」

とある大学で教官をやっている小山先生が、失踪した後輩に教えられた料亭に通い始め、そこにハマっていきながら、何かを考察する話。要するに、この著者の主な著作であるミステリィ群ではひとが殺されて、その事件を解決するという一連の流れりかわりに、料亭に行って食事をするだけの違い。何かを考察する部分は同じなので、見た目はまったく違うがやってることは同じような気がする。ただ、いわゆる「天才」は登場しないので、物足らなく思う読者もいるかもしれない。物語の構成からして、キャラクター小説に成り得ないので、こちら方面のファンはがっかりかも。そういう一面だけのファンってのはあまりいなさそうな気がするけど。

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ヤマグチノボル「ゼロの使い魔 17 <黎明の修道女>」

ルイズに置いていかれて、落ち込みっぱなしの才人の話。これだけで、ほぼ1冊。出て行った方のルイズも落ち込んでいるんだけど、こっちは裏切られたってう思いがある分は元気な感じ。何をやるにしろ、罪悪感なんてのは持たない方がいいということかも。その点、アンリエッタは強いな。
それはそれとして、今回はマリコルヌの非道っぷりが素晴らしい。落ち込んでいる才人を、喜んで痛めつけてる。これまで、いかにうらやんでいたかというのがわかるというもの。
才人とルイズが落ち込む話ばかりではなくて、大きなストーリも進んでいる。ページ数をそれほど割いていないわりには、かなり重要な事件が起こる。こんなところで、ジュリオが通う修道院の話が絡んでくるとは思わなかった。

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弓弦イズル「IS<インフィニット・ストラトス> 2」

帯の惹句が「一夏のえっち…」で、表紙がセシリア。なんかイメージ違うなあと思ったら、新キャラの台詞だった。さて、その新キャラだけど、前回の感想にならって「サクラ大戦」に当てはめれば、レニ。こんなピンポイントのキャラ出してくるなんて、やっぱり、「サクラ大戦」で学園モノやりたかったのかなあと思えて仕方がない。
ところが、あとがきによると企画段階ではまったく別の話だったものが、(MF文庫の)三坂編集長のアイディアがもとになって今の形に変わったということらしい。この編集長がどんな人物かはまったく知らないが、こうなるのを狙っていろいろ吹き込んだんだろうなあ。経緯はどうあれ、読んでて楽しいからいいんだけどさ。

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橘公司「蒼穹のカルマ2」

前巻みたいなめちゃくちゃな話を期待していたら肩すかしを喰らった。てっきりあの路線でくると思ったのに、わりと堅実というか普通の話になってしまっている。アステナとウタは出てきているので、一応、世界観は引き継いでいるものの、あれ以上広げる気はないみたいだ。それどころか今回はほとんど半径5キロ以内ですべてのお話が進行している。極端にも程がある。熊楠が田辺に引き籠もった後だって、もっと歩き回ってるぞ。
今回も駆真が親バカならぬ姪バカっぷりを発揮してるけど、前の巻であそこまでやっちゃったら、あとは何やっても縮小再生産にしかならんわなあ。かといって、駆真のキャラを変えるわけにもしけないだろうし。今のままでも読み進められる程度にはおもしろいんだけど、ここは仕切り直して、別シリーズを立てたほうがよかったんじゃないかと思う。

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大西科学「晴れた空にくじら 3 浮鯨のいる空で」

このシリーズもこれで最終巻。シリーズっていうより、上中下巻っていったほうがしっくりとくるかな。一巻はそのまま打ち切りになっても困らないように、ひとつのまとまった話になっていたけど、三巻まで読み終わってから思い返してみると、あれは確かにプロローグであった。シリーズを通しての大きな話というのは、クニの敵討ちであり、それを何故か助けてしまう雪平の気持ちの在処であり、もうひとつは浮鯨という大きな生命体の話である。それらはこの最終巻で語られているが、すべて指し示しているテーマってのが、これがもう物語の王道で。ちょっと恥ずかしいというかむずがゆいというか、そんな気持ちになってしまった。
いい小説だった。

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西野かつみ「かのこん13 ~オトメとらいあんぐる~」

このシリーズっていつまで続くんだろう。一応、本編は区切り付いていたから、あれで終わったもんだとばかり思っていたのだが、もしかすると第一部完ってヤツだったのかもしれん。
それはともかくとして、この巻は一見短編集なんだけど、その大半はたゆらとあかねの話。延々と不遇をかこっていたたゆらがついにあかねと結ばれるのか、っていう話。あとがきにも書いてあったけど、たゆらってなんか応援したくなるキャラなんだよね。
耕太とちずるの子供のまどかの力によって、白亜紀にタイムスリップしてしまったたゆらとあかね。もともとお互いが憎からず思っていたふたりだから、異界でのサバイバル生活は仲を深める絶好の条件。というわけで、へたれのたゆらくんもついに男になる時がくるのか。がんばれ、たゆら。

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鳥羽徹「オルキヌス2 稲朽深弦の調停生活」

RPGのお使い系イベントを見ているような展開だった。まあ、それはいいとして、どうもこの「調停」の方法論ってのが小手先のテクニックやハッタリばかりのように見えるのが気に入らない。それでオルカたちの信頼を得られているっぽいから、オルカ相手にはこれでいいっていう世界観なのかもしれないけど。このあたりをあまり考えずに、滑りかけのギャグとか、様々なオルカの生態とかを楽しんでいるだけなら、わりといい読み物なんだけどね。

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淺沼広太「ようこそ青春世界へ! 2」

きっちりと1巻のラストを引き継いだ話になっている。晴れてつきあい始めた葵と森山だけど、葵にとってはあまり思い通りにならないことが多い。森山のあまりに部活バカなので、ふたりきりの時間を持てないのだ。その葵と森山の仲に気が付きつつ、知らないふりをするのが、双葉と柴村。双葉はまあ、ああだから単純に応援しているんだろうけど、柴村は普段は喧嘩友達としかいえない葵が、まれに見せる女の子らしさに、ドキッとしたりして気が気ではない。
演劇部の活動としては、文化祭での公演を目指して、柴村の脚本による演劇の練習が始まる。最初は双葉をイメージした主人公の脚本だったが、合宿や花火大会といったイベントをこなすうちに、葵がイメージの主人公に書き直したくなってしまう。と、いうように感じで、1巻に続いて青春路線全開。看板に偽りなし、っていうのはこういうののことをいうんだろうなあ。

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おかゆまさき「森口織人の陰陽道 巻ノさん」

またひとつ明らかになる初雪さんの性癖。というか、嗜好かな。妄想がだだ漏れしちゃうという体質にばかり目が行ってしまいがちだけど、そもそも人前であらぬ妄想に耽ってしまうというところが問題なんだな。「撲殺天使ドクロちゃん」の桜くんも妄想体質だったから、作者自身が妄想好きなのかもしれん。
さて、「砂御門」に入門した織人だが、入門したからといってすぐに陰陽師になれるわけもなく、何の前触れもなく現れた新キャラ(ちなみにクラスメイト)が変化した妖怪ならぬ天魔により、一之瀬カスミや野上綾 とともに窮地に追いやられてしまう。勒天舞耶に助けられて事なきをえた織人たちだったが、自らの非力さを痛感して修行を強化することにした。というような流れで、筋書きだけみると、すっかり普通のバトル系ライトノベルみたいになっている。それがまた、意外とおもしろい。もちろん合間合間ではいつものようにちょいエロ話を展開していて、そっちも楽しませてくれる。サービスいいなあ。

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高橋弥七郎「灼眼のシャナ XIX」

創造神"祭礼の蛇"の復活が迫る。"天壌の劫火"の力を解放させたシャナは、それを止めることができるのか。ってことで、いよいよクライマックスが近付いてきた。悠二とシャナの対決が迫り来る一方で、地上では「仮装舞踏会」とフレイムヘイズ兵団との星黎殿を巡る攻防が激しさを増す。わずかに見えた勝機に、肝っ玉母さんこと、『震威の結い手』ゾフィーまでもが前線に躍り出るが。と、この巻も前巻に続いてアクションシーン全開。アクションシーンじゃないところは、マージョリー・ドー のからみだけ。
とか、書いているけど、その脇では"壊刃"サブラクの物語がひっそりと進行していたり、KONKONが大好きなあのキャラが最後においしいとこを持っていってしまったりと、盛りだくさん。たっぷり楽しませてもらった。

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阿智太郎「血吸村へようこそ」

阿智太郎作品のお気楽さも好きだけど、このシリーズは表紙絵が好きだなあとおもったら、あらきかなおだった。まんがとか買ってもあまり作者を覚えないほうなので、どこかで見た絵だなあと思ってたんだけど、作者名を気にして探してみたら「こいこい★生徒会」と「乙女はお姉さまに恋してる」が出てきた。そうだったのか~、と軽く驚いた。
「血吸村へようこそ」はタイトルから容易に想像が付くとおり、吸血鬼がらみのお話。東京から、長野の片田舎、下伊那郡治水村に引っ越してきた主人公は、どういうわけか女子生徒にモテモテ。しかし、それは好意からではなく、村でただ一家族の人間の血を求めるためだった。ってことで、住人がすべて吸血鬼の村を舞台にしている。住人がすべて吸血鬼なんて、ちょっと考えると成立しないことがわかるんだけど、そのあたりの説明もちゃんとしてある。
結局、主人公は血を吸われないまま人間として暮らすことになるんだけど、それを5人の女子生徒以外には秘すことになる。この巻では、人間であることを隠すことによるドタバタ騒ぎがメイン。この作者らしく、適度に気の抜けた楽しい話になっている。それにしても、駄犬好きだよなあ、このひと。

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井上堅二「バカとテストと召喚獣 6.5」

短編集の二冊目。今回は、秀吉の姉、優子が表紙。とある事情で、秀吉と入れ替わって、Fクラスに通うことになった優子だが、って話。小説の中とはいえ、誰ひとりとして気が付かないのが不思議。さすがはFクラスといいたいところだが、秀吉が通うAクラスでも入れ替わりに気が付かない。うーん。もしかすると、ここのシリーズのタイトルの「バカ」ってのは、吉井明久のことだけじゃなくて登場人物全部が対象なのか。
2話目は、いつもの面々プラス玲で海に遊びに行く話。一瞬、玲さんの水着イラストを注視してしまったのだが、「うん、玲さんに目がいくうちは、まだ大丈夫」くらいにしか思えないところが、このシリーズの怖いところだ。
最終話は、雄二とと翔子の小学生時代の話。いまのふたりと、落差があり過ぎ。雄二はともかく、翔子は成長の方向を間違えているとしか思えない。

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築地俊彦「けんぷファー 6」

今読んでいるシリーズ物でもっともつまらないのが、「けんぷファー」。といつつ、なかなか購読停止に踏み切れない。どこかで、これはダメだっていうポイントがあればいいんだけど、低レベルで安定しちっゃてるもんなあ。今回もこの手の変身モノでは定番ともいえる、早変わりネタでギャグをやっていて、これがそこそこ読ませるんだよね。
それはそうと、あとがきで作者が「紅音が(一応)ヒロイン」なんていってるんだけど、これは本当なんだろうか。たしかに、1巻から出ずっぱりの女性キャラは紅音しかいないんだけど、これがヒロインに対する描写だとしたら、それはそれでかわいそうな気も。まあ、この作者は「まぶらほ」でヒロインを完全に壊しちゃってるから、このくらいは不思議でないといえばその通りなんだけど。

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寺田とものり「超鋼女セーラ フタリの青春、お嬢のユウウツ」

サブタイトルのフタリってのは、絢乃とベッキーのことかな。表紙、ベッキーだし。しかしこの表紙、茸味を抱いてるのかと思いきや、延髄に一撃喰らわせてるな。さすがだ。もうひとつのお嬢というのは、もちろんラヴィニアだわな。サブタイトルが示すとおり、ベッキーとラヴィニアがメインの話になっている。茸味とセーラメインの話より面白いのが困ったモノだ。このシリーズも、どうやら主役より脇役のほうが動かしやすいらしい。絢乃とベッキーは外伝が出てるのでいいけど、ラヴィニアの活躍を見たのはひさしぶりのような気がする。たまに見るからかもしれないけど、ラヴィニア、凛としてて、いいキャラだな~。早くいい彼氏を見つけてもらいたいものだ。

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杉井光「さくらファミリア! 2」

前巻に続いてキリスト教を冒涜しまくり。なまじウソばかりでもなさそうだから、始末が悪い。これがイスラム教だったら、筆者の命はないところだ。なめられてるよ、キリスト教。なんかこれ読んでいたら、ひさしぶりに「百億の昼と千億の夜」を読みたくなってきた。
さて、キリスト教といえば三位一体説。神と神の子は出てきたから後は聖霊。っていうわけで、この巻では佐倉家にクール宅配便で聖霊が送りつけられてくる。送り主は三十銀貨財団。エリとレマをくっつけて神の子を顕現させる媒介として聖霊を使おうという魂胆らしいが、神の子が現れたらエリもレマも消滅してしまう。その対策に苦慮しているところに、今度は使徒にして初代教皇たるペトロが襲来。さらに、とどめとなる神からの手紙が届く。主人公はエマとレマを守りきることができるのか。って話で筋だけ書いてるとわりと緊迫してる状況だけど、半分以上はただのドタバタだよなあ。おもしろいからいいけど。

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神野オキナ「ぷりんせす・そーど3 戦うサツキと恋の道」

前巻で五月に衝撃的な告白をしたタシアナさんが、五月と初デートに出掛けるお話から始まる。この巻はタシアナさん大プッシュということなのか、初々しいタシアナさんが非常によろしい。今までの女王様然としたボンテージから一転、わりとお嬢様っぽいファッションに身を包んで、初めての恋心に戸惑いつつもぎこちなくデートをしている姿がなんともいえない。えーっと、ギャップ萌えってヤツ?
もちろんそれだけで話が終わるわけはなくて、デート現場に殴り込みをかけてきたマイター・スナミオの調停王女を手始めに、タイハンの刺客や謎の凄腕スナイパーも登場して、学校を破壊し尽くすような戦いが始まる。あと、ニファーリアとのあれこれ。五月もへたれっぽいくせによく頑張るわ。

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支倉凍砂「狼と香辛料 XII」

今回は商売で何とかっていう話がなかったので、あまりこのシリーズらしくないような気がする。シリーズの始めの頃に比べるとだんだん商売の話が少なくなっているなあという気はするものの、ここまで何もなかったのは初めてじゃないかな。このシリーズはまたお話が変わるごとに、魅力的なサブキャラクターが出てくるのだが、この巻は商売っ気抜きのせいか、いつものような魅力を感じない。いかにして儲けるか、あるいはいかにして損を少なくするかといった商人としての本能と、そういった打算を抜きにした心情とのせめぎ合いがこのシリーズの読みどころのひとつなんだなあと再認識した。ホロさえいればいいやっていう気に、つい、なりがちなんだけどね。

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神崎リン「ヒメゴトシステム2 ご乱心スクールデイズ」

一巻も買い続けるかどうか微妙な出来だったけど、二巻も相変わらず。ヒロインの前村琴音に魅力を感じられないってのが原因のような気がする。主人公もいまいちだけど、それでおもしろいシリーズってのもあるからね。それでも読み進めているのは、サブキャラが気になるから。ぐうたらで横暴な放送部の部長とか、正義の番長田中駿太郎とか。今回出てきた、琴音ラブの百合お嬢様西園寺希美子も、金と権力にものをいわせるさまがなかなか気持ちがいい。ストーリも安易といえば安易だけど、まあそんなに悪いものでもない。これでおもしろくならないってんだから、やっぱりヒロインって大事だよなあ。

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葵せきな「生徒会の六花」

中身はあいかわらずなのに、枠だけはちゃんと話が進んでるってのが妙な感じ。絵を変えないで額縁だけ変えているような。人形変えないで服だけ変えているような。って、それはアリなのか。
あいかわらずと書いたけれど、中身はこれまでで一番笑えた。これまでは読んでいてニヤニヤって感じだったけど、今回は吹き出しちゃうような場面が少なからずあった。いや、マンネリっていえばそうなんだけど、こういう日常だらだら系の話って、ふいにおもしろさが増す瞬間があって、本シリーズでいえばこの巻がそれなのかなあと思ったりした。電車で読んでいいることが多いKONKONにとってはなかなか困ったモノだけど、おもしろくないよりはずっといい。

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穂史賀雅也「オウガにズームUP! 3」

帯でネタバレしているからいってしまうけれど、「夜の国」からククルの母アリアンナがやってくる。金髪ツインテールでククル以上の(以下の?)童顔、子供体型。アイスクリーム王子こと赤井虎太郎なら大喜びの設定だよなあと思って読んでいたら、二話でアリアンナと虎太郎が遭遇した。これは、と思って読んでいたら、まさかのスルー。虎太郎、一途だねっ。単にストライクゾーンが狭いだけかもしれないけど。
三話は理科部の部長代理である二階堂と上村先生の話。地味だけど、なんかしみじみと青春だなあと思える内容で、意外と楽しめた。このふたりのこの先はあるのだろうか。
あと、一話の挿絵で、ククルのスカートからのぞいていたボンテージスーツがスク水に見えたヤツは死んでしまえと思いました。KONKONもだけど。

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逢空万太「這いよれ! ニャル子さん 2」

前回、敵役だったニャル子さんラブのクトゥグアことクー子が、八坂家にやってくる。ニャル子のいる地球に合法的に滞在するために惑星保護機構に就職して、そのエージェントとしてやってきたのだ。ニャル子だけで持てあましているのに、クー子まで来てしまってどうしようかと思案する主人公だが、クー子が今探っている事件を解決したらニャル子をいっしょに連れて帰ってもらえるということで、クー子に協力することにした。というような出だし。
あいかわらずニャル子の性格の破綻っぷりが素晴らしいが、クー子もいい勝負。なんだかんだいいながら、この神的存在たちにつっこみを入れてしまえる主人公もたくましい。一応、ストーリはあるけど、この三人の掛け合いがメインってとこかな。

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川原礫「アクセル・ワールド02 紅の暴風姫」

「お帰りなさい、お兄ちゃん!」
家に帰ったハルユキを見知らぬ少女が出迎える。ハルユキのハトコを名乗る少女は、しかし、ハトコなんかではなく、赤の王自らソーシャルハッキングを仕掛けてきたのであった。
ということで、赤の王、初登場。現実世界での接触もあるくらいだから、準レギュラーぐらいにはなるのかな。中一のハルユキをお兄ちゃんと呼ぶくらいだから、もちろん小学生。そっち方面の要望にも応えます、ということか。と、ここまで書いて気が付いたが、黒雪姫だってまだ中二なんだよな~。どうしたもんだろ。
今回は、何者かによりもたらされた呪われた強化外装「災禍の鎧」を巡るお話。赤の王は「災禍の鎧」により殺戮者と化してしまったレギオンメンバーを粛正するために、飛行アビリティを持つハルユキに助けを求めに来たというわけだ。しかし、赤の王が単独ではかなわないような相手だから、一筋縄でいくとも思えない。そこに黒雪姫の過去のは話も絡んできて、といった展開。
この作者のストーリはかなり王道よりで、驚愕の展開みたいなのはないんだけど、うまくその枠内できっちり楽しませてくれる。乗せられてると意識しつつも、わくわくしながら読まされてしまうんだから、困ったモノだ。

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須賀しのぶ「アンゲルゼ 最後の夏」

一巻で学校生活の陰湿さみたいなことを描写していたことを思うと、この巻で学校生活を懐かしんでいる主人公ってのは、やっぱりいろいろあって物の見方が変わったんだろうなあ。うじうじっぷりとかあまり変わっていないけれど、それなりに成長しているってことか。しかし、一巻、二巻と、基本的には陰鬱なトーンで続いてて、このお話はどっちに向かっているのかってのが不安になってくる。この先もなんかこんな調子みたいだし。AAST全滅エンドとか、人類滅亡エンドととかになってもあまり不思議じゃないんだよなあ。

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林直孝「鏡原れぼりゅーしょん」

男女入れ替わり物なんだけど、三人の間で入れ替わっているところに新味がある。もしかしたらKONKONが知らないだけで、ありふれた設定なのかもしれないけど。
入れ替わりのメンバーは主人公の男と、女ふたり。主人公はある秘密を保っているほかは特になんということもない普通の男子。あ、女性的な顔立ちっていう設定もあったけど、これはそれほど生きていないかな。女ふたりの片方がタイトルにもなっているヒロインキャラの鏡原奈結。ひとことでいえば正統派お嬢様キャラ。もうひとりが津吹あいら。謎めいた無口な女子。まあ、綾波系ってことになるかな。入れ替わり方は主人公の精神が奈結に入り、奈結の精神があいらに入り、あいらの精神が主人公に入るという形。つまり、ヒロインキャラと主人公が女同士になる。この構図だけを見ると、入れ替わりの設定を使って、疑似百合モノでもやりたかったのかなあとも思えるが、あまりそんな感じでもない。そういったところを始めとして、何やりたかったんだろうなあって感じの出来になっている。

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伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 4」

「最後の人生相談」なんていうから最終巻になるのかと思ったら、まだ続くらしい。次の巻からは「読者投票型のルート分岐シナリオ」らしくて、アンケート葉書の内容によって、お話が変わるらしい。そんなんでいいのかと思わないでもないが、原案が読者で著者が伏見つかさ、って思えばそれでいいのかなあ。
それはともかく、妹の人生相談っていう話では一応これで区切りがついたわけだけど、ここまでの4巻はずいぶんと楽しませてもらった。なかでも、妹側のオタク系友人のパートと、主人公が麻奈美とまったりするパートの対比がよかった。妹側のテンションが高すぎて、主人公と一緒にぐったりしてしまいそうになったときの、麻奈美パートに入るとすごく和めるんだよね。とっとと麻奈美とくっついちまえと思っているんだけど、このあたり、読者参加でどう話が転ぶのかってのが気になる。

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上橋菜穂子「神の守り人 上/下」

上巻が「来訪編」、下巻が「帰還編」と副題が付いている。タイトルでネタバレしてどうするという気もするけれど、このシリーズなら当然の結末なのでそれほど気にすることではないか。サンガルの新王即位なんて話が出てくるから、時系列では「虚空の旅人」と同じくらい。チャグムパートが「旅人」、バルサパートが「守り人」ってとこみたい。共通するのは、海を越えて北進を続けるタルシュ帝国の脅威。大きな話ではこのあたりが軸になりそうな感じ。
この巻では、新ヨゴ皇国の隣国ロタ王国を舞台としたお話。ロタ王国は山がちで貧しい北部と温暖な気候と肥沃な土地に恵まれた南部との対立が絶えない。この図式の根底には、かつて絶大な力で全土を支配したサーダ・タルハマヤを巡る建国の伝説があった。というような感じで、サーダ・タルハマヤ復活を目指す北部勢力の暗躍とその駒にされてしまう少女アスラ、そしてその少女を救おうとするバルサの戦いが描かれる。
今回はちょっとバルサに生彩がなかったなあという気がする。強いには違わないんだけど、多勢に無勢みたいな状況にあさり陥ったりするのがバルサらしくない。それに引き替え、というわけではないけれど、北部勢力を操るシハナが魅力的。悪役ではあるけれど、もしKONKONが北部の出身だったら間違いなくシハナ支持にまわっちゃうな。今回はアスラが救われて終わっているけど、ロタ王国の問題は解決したわけではない。この先、まだひと波乱もふた波乱もありそう。

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上遠野浩平「ヴァルプルギスの後悔 Fire2.」

霧間凪といえば、わりとひとりきりで戦っているようなイメージがあったんだけど、これ読むと、仲間というか信奉者がいっぱいいるというのがわかる。仲間っていうには、凪に対する尊敬心が強すぎる。イナズマあたりだと仲間かなあと思うけど、ほかのキャラクターはやっぱり信奉者だよなあ。そんな凪たちが、今回はアルケスティス相手にほとんど防戦一方。イナズマでさえなんともならん相手だということで、いったいどう戦えばいいんだろうという気になる。
そういった外面的な戦いとは別に、凪の内面では炎の魔女との戦いが始まっている。戦いというよりも、どう折り合いを付けていくかっていう話になるのかもしれないけど。こちらが解決すれば、アルケスティスとの戦いにも大きな変化が現れるんだろうなあ。どう話が転がっていくか、期待しよう。
それはともかくとして、アルケスティスにしろ、ヴァルプルギスにしろ、やたら破壊力はあるけど、自動的なあのひとが現れないってことは「世界の敵」ではないんだね。

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南房秀久「ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻3」

巻末に「終わり?」って書いたあったってことは、終わる終わらないにしろここでひとつの区切りってことかな。アニメ見てなかったからかもしれんけど、結局するって読めただけで、あまり何も残らなかったなあ。一応、この巻はクライマックスっぽいストーリで思い入れがあったりすると、盛り上がるんじゃないかなー、って思ってたんだけど、どうしてものめり込むなんてことはできなくて半ば傍観者のような意識のままである。思うに、これはアニメ側で完成されちゃったと思われるキャラクターの魅力を、ノベライズする際にちゃんと再提示しきれなかったというのがよくなかったんだろう。結局イラストとうまく結びつけられないキャラクター何人か残ってしまったし。そう思うとヤマグチノボル版はうまくいってるなあ。ノベライズじゃない小説版ってのがいいのかな。

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河野裕「サクラダリセット」

「さくらファミリア!」なんてシリーズも読んでいるものだから、サグラダ・ファミリアを連想してしまった。それでどうしたというわけではないけれど。
「サクラダリセット」というタイトルは、咲良田という街と、「リセット」という超能力を組み合わせたもの。咲良田はその地域限定で超能力を使えるひとたちが住んでいる街。街が超能力者を生んでいるのかもしれない。「リセット」は過去三日間をなかったことにしてしまう能力。この能力を保持しているのは、春崎美空。時間を遡る能力と異なるのは、その三日間の記憶が主人公の浅井ケイ以外に残らないこと。作中では「世界が三日分死ぬ」という書き方をしているけれど、そんなたいそうなものじゃなくて、時間を遡る能力の一部である記憶を保持する機能が、他の誰かに引っ越しただけなのような気がする。
所々、格好つけているのが鼻につく文体だけど、それが生きている部分もある。こなれてきたら意外といい文章が書けるようになるのかもしれない。あと、主人公が非通知くんの部屋で話をするシーンは妙に心に残った。そんなとこどうでもいいよっていわれそうなシーンだけど。

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京極夏彦「百器徒然袋─風」

ひさしぶりに京極夏彦を読む。今回のは、榎木津礼二郎メインの話。語り手は、新参の下僕である本島君。何か過去の事件がきっかけで、下僕にされてしまったようなのだが、まったく記憶にない。たぶんキャラクターばっかり追っかけているような読み方になってるんだろうなあと反省したが、しかし、そもそもこの本島君というキャラクターを覚えていないのだった。
本作は三本の長編が一本にまとまった連作である。上中下巻に分かれていてもよさそうなものだが、当然のように一巻モノ。分厚くて携行に不便。しかも、榎木津モノだから読んでいる最中に吹き出してしまうことも多い。こんなもの通勤時には読めないなあと思っていたのだが、木曽駒ヶ岳で雨で山小屋の中に寝転がっていた時や、ロープウェイ待ちの間に最初の一編を読んで、残りは通勤中に読んでしまった。いつものことだけど、この長さだというのにまったく飽きずに読めてしまう。榎木津礼二郎に振り回される登場人物の面々には申し訳ないけど、もっとバンバン振り回されちゃってくださいといいたい。

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原田源五郎「今日もオカリナを吹く予定はない」

よくわからないけど、ひとの寿命を食べてしまう捕食者っぽいものを見つけて排除するっていう、正義の味方っぽい話で、そこだけとってみたら「灼眼のシャナ」とかぶるような話なんだけど、シリアスにはならずとことんおバカ路線を突っ走っている。だいたいのっけから「そう、俺はむっつりスケベである。」という独白を始める主人公ってのはいったんなんなんだ。しかも、この作中の登場人物の中では、主人公が一番まともっぽいってんだから。
最後のほうで失速気味になるのが惜しいところだけど、それさえ除けば「何とか大賞何とか章」受賞作の類では群を抜いて面白かった。もう少しスタミナを付けてもらって、ちゃんと盛り上がって終わるような話を書けるようになってくれるとうれしい。

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比嘉智康「ギャルゴ!!!!!6 地上波初登場大全」

ライトノベルというよりも、エッチなことを覚えてしまったジュブナイルといった変な味わいの「ギャルゴ!!!!!」もいよいよ最終巻。噂長を下して、あとはいよいよ元の世界に帰るだけなんだけど、帰る手段である視聴覚室のスクリーンは失われてしまった。由井妃唯がどこかに隠してしまったらしい。このままでは、春男たちのいる異世界はあの世へと突入してしまう。
呪いが解けて正気に戻った噂長から、由井妃唯のことを聞き出し、なんとか捜索の手がかりにしようとするのだが由井妃唯のことがわかったところで行方はしれない。そこで春男が思いついた方法は、これまでの地伝をすべて復活させることだった。というわけで、いかにも最終回なオールスター(?)キャストで話が進んでいく。エリアスの謎もきちんと、ではないけど一応解けたりして、ライトノベルには珍しい「大団円」を迎える。こういうめでたい終わり方も、このシリーズらしくていいやな。
それにしても、「ラノベ部」に続いて「ギャルゴ!!!!!」も終わりかあ。好きなのばかり早く終わっちゃうような気がするな~。

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アサウラ「ベン・トー 3 花火ちらし寿司305円」

今回はいつものフィールドを出て、強化合宿へ行く話。「頭文字D」でいけば、碓氷峠編みたいなとこか。碓氷峠最速のふたりに対応するのが、表紙のふたり。「ギリー・ドゥ」の二つ名を持つ地元の中学生、禊萩真希乃とその親友、淡雪えりか。ストーリとしてはあまり碓氷峠編っぽいところはないけれど、なんとなく思い出してしまった。
合宿地だけではなく、そこに向かう途上でも狼たちと一戦を交えていて、そのあたりの描写がいつものバカバカしくも熱い展開で楽しい。
しかし、合宿地に着いてからは、やや熱が冷めたような感じで、物語のメインは真希乃とえりかの仲直りみたいなほうに持って行かれてしまう。それはそれでいいんだけど、やっぱりこのシリーズのキモは半額弁当を賭けたバトルの熱さであって欲しいなあと思う。ああ、真希乃とえりかの話だけじゃなくって、白粉花の妄想少女っぷりが面白すぎるってのも足引っ張ってるかもしれんなあ。
なんか、面白いのに文句付けてるみたいになってきたので、こういうのもよしとしてしまおう。

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松野秋鳴「えむえむっ! 8」

「ラノベ部 3」で、文香が帯に騙されて買ったっていうエピソードがあったなあと思い出して、7巻を探してみたんだけど、そんな帯じゃなかった。うーん。こっちが騙されたのか。
という話はともかく、「えむえむっ!」の8巻。嵐子の恋物語がよもやの進展をみせる。このまま、だらだら行っちゃうんじゃないかなあと思ってたんだけど、タローはなかなか見所があるなあ。特殊な性癖はアレだけど。
もっとも、タローひとりで話が進むわけでもなく、辰吉や石動先輩の後押しがあったからこそ。しかし、これですんなり話が進むわけでもないだろうなあ。というか、どちらかというと嵐子にかませ犬フラグが立ってしまったように見えるのがなんとも。

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平坂読「ラノベ部 3」

おお、最終巻になってる。これはまったく予想していなかった。基本的に日常系のだらだらした話だから、売れなくならない限り続くもんだとばかり思っていた。そんなに人気がないとも思えないんだけどなあ。あとがきによるとネタ切れらしい。たしかに、巻が進むにしたがってわかるひとにしかわからないようなネタの割合が多くなっているように気はしていたけど、続けられる見通しが立たなくなるほど苦しんでたのかあ。こういうのって、読む方はさらさら読めるけど、書く方の負荷は普通のストーリものよりも高いのかもしれない。今、読んでいるシリーズものの中ではかなり好きな方だったから、残念だ。

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犬村小六「とある飛空士への恋歌 2」

すっかり学園モノになっちゃったなあ。これは「とある飛行士への追憶」とは別物だと思って読むしかないなあ。
とあいえ学園モノとしてどうかっていったら、純粋な学園モノよりは明らかに落ちるといわざるを得ない。背景に「とある飛行士への追憶」の世界が広がっているから、何とか成り立っているというレベルかなあ。逆にいえば、学園モノとしての要素を取り入れたことが、元の世界観を広げる役には立っていない。せっかく、各国の子女が集うような設定なんだから、そっちのほうを掘り下げればいいのに、どうしたってメインはクレアとカルエルの話になっちゃうからなあ。ストーリと道具立てが合ってないというか、どこかちぐはぐに感じになってしまっている。もうちょっと、がんばれ。

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瀬那和章「レンタルフルムーン 第一訓 恋愛は読み物です」

ほとんど表紙絵が気に入って買っただけなんだけど、意外に当たり。主人公がちゃんと自分の気持ちと向き合って覚悟を決める、っていうのはライトノベルじゃ貴重かも。ヒロインキャラの満月ツクモを始めとして、登場人物がみんな生き生きしているのもいい。そう。キャラが立ってるっていうことばよりも、生き生きしているっていうのが似合うんだよね。もちろんライトノベル的なキャラクタの色づけも濃いけど、それを超えて個人が現れてきているように感じる。ストーリとしては、帯にあるような「ファンタジック・ラブコメディ」というよりも、もう少しギャグよりかな。一応、世界の存亡が掛っているのに、ちっとも深刻そうに見えない。
ともあれ、覚悟を決めたところから始まるシリーズものっていうことで、期待。覚悟っていうのは、決めたら解決じゃなくて、決めたところからが始まりなんだってことを書いてくれそう。

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村上春樹「1Q84 BOOK1<4月-6月> / BOOK2<7月-9月>」

村上春樹の著作はわりとまめに読んでいる方だと思うんだけど、「1Q84」はこれまでと少し感じが違う。はっきりいってしまえばおもしろくない。オウムの事件にのめり込んだ結果なんだろうなあ。そういう問題意識を抱えていることはわかるけど、抱えていること自体を小説にしてしまったようにみえる。もっとも、自分の中で解決できてスッキリ、なんてのはあまり村上春樹らしくないというのも確かなところだけど。
個々のキャラクターをみると、なんといってもふかえりの造形が興味深い。綾波レイ、長門有希系列のヒロインキャラで、「ふかえり」みたいにひらがな表記されているのを見ると自衛艦チックだなあと思ってしまう。ライトノベルレーベルのキャラクターだったら狙いすぎだろうといわれかねない。まさか村上春樹がそういうのを狙ったとも思えないから、感覚的にわりとこちらに近いところにいるひとなんだろうなあと思ったりした。ふかえり関連でもうひとついうと、疑問形にならない疑問文がいい。ふかえりと天吾の会話を読んでいるとくせになりそうだ。

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水瀬葉月「C3 -シーキューブ- VII」

このシリーズ初の短編集。全6編。
「ハロー、ギロチン」はフィアが子犬を拾ってくる話。お話自体はこの手の話の枠組みから一歩も外れることはないが、禍具であるフィアにも当たり前のように犬が懐くようになったんだなあと、しみじみ。
「日曜日はすとーきんぐ日和」。春亮がサヴェレンティの買い物に付き合うことになって。あとはお決まりのストーキング話。サヴェレンティの天然さ加減と白穂のサヴェレンティラブぶりが読みどころなんだろうけど、いつものことなのでするする読んでお終い、って感じだった。
「はじめてのおまつり」は夜知家の面々で近所のお祭りに行くという話。このはもすっかりギャグ要員が板について、不憫だねえ。
「スクール☆ウォーズ」は黒絵が学校に来て、春亮を連れ回す話。当然のごとく、フィアとこのはとに追いかけ回されるハメになる。
「上野錐霞を懐かせる方法」は夜知家を訪れた錐霞がたまたまそこにあった禍具に取り憑かれてしまい、というお話。本編でも、もっぱら萌え要員となりつつある錐霞がここでも大活躍といったところ。
「とある出会いの死亡遊戯」は黒絵が初めて夜知家に来た時のお話。出会ったばかりというのに、さんざん黒絵にいじり倒されるこのはが涙を誘、わないんだな。
一話一話見ていくとこんな感じなんだけど、通しで見ると白穂のダメ人間っぷりが一番印象に残ってる。何故だろう。

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成田良悟「デュラララ!! X6」

平和島静雄すげー、で終わったと思ったら、こう閉めてきたか。メインの話としては、帝人の変貌(成長とはいわないよね、さすがに)だと思うんだけど、そっちの話はあんまり記憶に残らない。粟楠会の存在感が大きくなったこととあわせて考えると、もしかして、6巻にしてようやくプロローグ終了ってことか~。みたいな別の驚きもあったりするのだが、とりあえず帝人のまわりの話はあまり印象的ではない。セルティーがますます普通の女の子っぽくなってきたなあとか、今度はシューターの萌えキャラ化に挑戦かとか変なところには引っかかっているんだけどね。読み方、間違ってるんかなあ。

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丈月城「カンピオーネ! II 魔王来臨」

1巻で神と戦ったんだから、2巻でカンピオーネ同士で戦うのはなんとなくグレードダウンのような気がしないでもないのだが、考えてみたらカンピオーネって神殺しなんだから神様より強いんだよなあ。
というわけで、今回のお相手は、バルカン半島の老魔王サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン。おお、魔王っていうのは長生きだけど年はとるのか、と妙なところで感心したり。好戦的なヴォバンは戦う相手、つまりは神を召喚する儀式を行おうとするが、それには優秀な巫女が必要だった。そのために媛巫女である祐理を手に入れようと日本にやってくる。あっさりと祐理をさらっていったヴォバンだが、護堂がそれを見過ごすわけもなく。という感じでバトル突入なんだけど、そういうことをやっている一方で、ラブコメ度も急激にアップ。エリカ、祐理だけでなく、ヴォバンの従者のリリアナ・クラニチャールなんてのまで登場。1巻に比べると話は軽くなったけど、シコルスキーさんの本領が発揮できそうな流れで、なかなかよいのではないか。

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入間人間「電波女と青春男 2」

あまり続くとは思っていなかったのだが、気が付いたら続巻が出ていた。電波女をやめて、ただのひきこもりになったエリオの社会復帰を手伝ったりしながら、主人公が青春ポイントを増やしたり減らしたりする話になるらしい。のだが、いつの間にか女々さんの話になっている。名前も思い出せない元同級生にいきなり求婚されてテンパっている女々さんかわいい、とか、シュウシさんに少し皺があるとか描写されて正直って残酷だなあと思ったりした。その一方で、前川さんのお役立ちっぷりも素晴らしい。虚弱体質だけど、この作品内では最強キャラなんじゃないかと思う。エリオはだいぶ影が薄くなっているけど、それでも「イトコ」って呼ばれたらどんな気持ちがするもんだろうとか、ふと考えちゃうぐらいのキャラ立ちはしてるわけで。これなら、しばらくシリーズ続けていっても楽しんで読めそうだ。

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九重一木「ガジェット 無限舞台 BLACK&WHITE」

今度はスニーカー大賞の優秀賞作品。奨励賞にくらべるとかなりいい。他の一般的なライトノベル作品と遜色ない。なんとなく似たような雰囲気の「レジンキャストミルク」とくらべると、こっちのほうが面白く感じたくらい。幕間の「魔術師アグシーダの独白」のいかにも、な感じもいい。
あとはキャラクターのよさだろうなあ。主人公がぼんくらなのが惜しまれるけど、ほかのキャラクターがよくできている。メインヒロインの真白は、主人公への熱愛っぷりが読んでいて薄ら寒さを感じる。一方、バグってしまった真白を補正するために生まれた黒乃は、人間とはかけ離れた存在なのにごく当たり前のヒロインっぽい女の子で、読んでいてほっとできる存在。あと、主人公のいとこの小学生リトや、古本屋の女主人みさおさんも印象的。この巻のストーリはやや陳腐かなと思わされるものだったけど、陳腐を陳腐と思わせないほどの勢いを出せるようになれば、そのあたりは気にならなくなるんじゃないかな。次の巻に期待。

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伏見ひろゆき「R-15 ようこそ天才学園へ!」

スニーカー大賞の奨励賞ってことで、どんなもんかと思って読み始めたけど、たいしておもしろいものでもなかった。いろいろな方面の天才ばかりが集まる学園っていう設定は必然性を感じられないものの舞台としてはいいんじゃないかなあと思ったけれど、その上で動くキャラやストーリが弱い。キャラクター造形についていえば、他の作品でいうと、ごく普通の友人キャラレベルぐらいしかキャラ立ちしていないのしかいない。設定から想像していたような天才肌を感じさせるキャラが皆無っていうのも痛い。天才を描くだけの力量がないのか、設定は設定だとして見切っちゃってるのかわからないけど、どちらにしても作品にとってはマイナス要素であることには違いはない。ストーリは動機付けがよくわからないってのがいけない。キャラクターの心象や読者を置いてけぼりにして、ストーリだけが進んでっちゃうような印象を受けた。

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今野緒雪「マリア様がみてる リトル ホラーズ」

祥子さまが卒業してめでたくフィナーレを迎えたかと思われた本シリーズだが、まだまだ続くらしい。セカンドシーズンといったところか。ファーストシーズンの主人公は祐巳ちゃんだったけど、セカンドシーズンの主人公は菜々になるのかな。お姉さまが由乃なんて不幸そうだなあと思わざるを得ない。ぶっちゃけ、ファーストシーズンの妹探しのなかでも、由乃と菜々とがお互いにどんなふうに決めたのかってところが一番ピンとこなかったもんなあ。こういうのが黄薔薇の伝統だっていわれれば、そうかもしれないとも思うけれど。あ、もちろん由乃自身が令ちゃんの妹になったのは別だけど。
菜々と山百合会の面々とのお話をつなぎにして、リリアンの名もない生徒たちを描いた短編が5編。副題に「リトル ホラーズ」とあるように、怪奇ぽかったりSFぽかったりという奇妙な物語ばかり。中でも「胡蝶の夢」は想定外読者のために書かれたような話で、想定外読者のひとりとしては苦笑いをするほかはなかった。

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野村美月「"文学少女"と恋する挿話集 1」

「"文学少女"」シリーズの短編集。あらすじに、「恋する挿話集第1弾」って書いてあるから、まだ何冊か出るのかなと思ったらタイトルにもちゃんと「1」ってはいっていた。一冊目に当たる本書は、かわいらしい話ばかり集めたなあっていう印象だったんだけど、一話一話を見返すと、どういうわけかドタバタばかりなんだよなあ。かわいらしいっていう印象は、短編と短編にはさまれている「"文学少女"の今日のおやつ」のせいらしい。これは本編のストーリで語られなかったエピソード集で、タイトルからするとこちらが主菜と考えるべきなのかもしれん。まあ、とにかく、このエピソードのひとつひとつがやたらかわいいんだよなあ。遠子先輩に魅入られてしまったから、というだけではないと思うんだけど。

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白瀬修「おと×まほ 6」

白姫家の謎生物ノエルの秘密が明かされたり、チューナの黒幕に当たる人たちの姿が徐々に浮かび上がってきたりして、いよいよ新章も盛り上がってきた。しかし、いかに物語が緊迫の度合いを増そうとも、彼方いじりはしっかりやります、というのがこのシリーズの存在理由。この巻は、ミニスカサンタで魅せてくれる。あー、いや、ノエルの正体とか普通はそっちをメインに持ってくるべきなんだろうに、帯もあらすじも、みんな彼方のミニスカサンタなんだよねー。まあ、らしい、としかいいようがないわ。留真の入浴シーンなんて印象薄い薄い。あれもいかにもって感じで、それなりにおもしろかったんだけど。

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竹岡葉月「SH@PPLE -しゃっぷる- 6」

本編はさておき、帯のウソあらすじがおもしろかった。これ、書店に並んでいたら、普通に騙されちゃうんじゃないか。このシリーズの6巻を買おうというような読者だから、騙されてもまったく気にしないとは思うけど。とか勝手に納得していたら、ドラマCDでは本当に芋掘りしてたりして。
本編はというと、ジャージで芋掘り姿も素敵な胡蝶の宮こと、蝶間林典子さんメインのお話。病で倒れた祖父が典子に婚約者を引き合わせる。雪国に思いを寄せる典子は、付き合っているひとがいるといって断るのだが、その相手と会わせろといわれてしまい。という感じのよくある話なのだが、雪国のかわりに舞姫に男装させて連れて行こう、というふうになってしまうのがこの作品らしい。典子が舞姫だと思っているのは女装している雪国だから、女装した上に男装するって、なんだそれ。元に戻るんじゃないのか。
そんなドタバタなお話。それにしても、胡蝶の宮、すごくいいキャラになってきたなあ。このまま正ヒロインの座を奪ってしまえばいいのに。

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田中ロミオ「人類は衰退しました 4」

「妖精さんの、ひみつのこうじょう」と「妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ」の2編。
前者はあまり妖精さんが前面に出てこない。人間の遺した工場を再生させて、あとはどこかに行ってしまっている。その工場に雇われている人間の挙動が馬鹿らしくて、いかにもこの作品っぽいのだが、オチはさらに馬鹿らしい。
後者は、増えすぎた妖精さんを何とかするために、無人島に赴任した主人公のお話。正確には無人島に赴任したわけではなく、結果として無人島に流れ着いちゃっただけなんだけどね。無人島といっても、妖精さんといっしょなんで、全然無人島らしくないんだけどね。ロビンソンクルーソーでいえば、フライデーが魔法のような技術力を持っていて、さらに勝手に増えるようなイメージ。そんなふうに思うと、妖精さんがちっちゃくてよかったね、といわざるをえない。

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松智洋「迷い猫オーバーラン! 4」

迷い猫拾いの乙女姉さんが表紙だから、どんな話かなあと思ったら、表紙に載っていない子、クリス・ロンドの話だった。クリスは父親を探しに乙女姉さんを頼ってきたということになっていて、乙女姉さん意外な有名人っぷりにびっくり。人助けに出かけていく先々で伝説になっているのね。
クリスの父親探しそのものは、ここまで王道でいいのかと思うくらいの王道で、ストーリー的なおもしろさは少ない。クリスが巧になびいていくさまも定石通り。そういったメインストーリにからめて、文乃、千世、希のプレゼント騒動があって、全体を包むようにして乙女姉さんと巧とのなれそめが描かれる。こうしてみると、クリスは今回のストーリ作るためだけに出てきたキャラのような気がするなあ。かわいそうに。

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森博嗣「レタス・フライ」

Vシリーズとか、S&Mシリーズがらみの話も混じっている短編集。古くからの読者なら、「おっ、こんなところにこんなひとが」的楽しみができるけれど、そうでないひとにはどうだろう。シリーズもの読み始める前に、短編集でも読んでどんな作者か見てやろう、なんてひとがいたらたぶんつまんないだろうなあ。シリーズものと関係ない短編というか掌編もあって、こっちはこっちでおもしろいんだけど、これをもって森博嗣っていいね、とか思ってもその後別の作品を読み進めるのに困るような気がするし。テイストはたしかに森博嗣でしかないんだけどね。「証明可能な煙突掃除人」とか。

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ヤマグチノボル「ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 3」

「タバサの冒険」もいつのまにやらもう3巻。第九話から十二話までが納められている。このうち、第九話がシルフィードがタバサの使い魔になったときのお話、第十二話がシャルロットがタバサになったいきさつ、ということでタバサの過去が語られている。シルフィードは最初っからお間抜けだったんだなあとか、シャルロットさまおいたわしや~とか、今のふたりの姿から考えると感慨深い。第十話は花壇騎士としてのお仕事の話で、本書の中では一番この外伝っぽいお話。第十一話は、タバサが才人に惹かれていく自分にとまどうお話で、普段は見られないタバサの少女っぽさが描かれている。って感じで、わりとタバサファンには見逃せない話ばかりになっている。

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蒼山サグ「ロウきゅーぶ! 2」

前作が予想をはるかに上回る傑作だったので、期待して読み始めたのだが、どうにもパワーダウンっぷりが目立っていけない。女子バスケ部の面々も努力をしているような描写はあるものの、ひたむきさが足らないなあと思えてしまう。敵がそれほど強くなさそうだから、読んでいる方としても、どうやって倒すんだろうっていうわくわく感が少ない。救いは竹中の存在で、主人公と彼との馬鹿馬鹿しくも男っぽいやりとりがなければ、凡作に堕ちていただろう。あと、登場頻度は低いものの、ミホ姉の使えなさっぷりが、なんとも作品全体のがっかり感を増してしまっている。こういうトリックスター的なキャラは、読者にバカにされるようなことしちゃダメでしょ

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五十嵐雄策「乃木坂春菜の秘密 10」

37話から40話の4話。今さらなんだけど、これってもともとこういう構成なんだっけ。各巻4話で10冊で40話っていうとキリが良すぎるような気もするけれど、だいたいそんな感じで進んでいたのかもしれない。もう9巻までは売り払ってしまったから、調べられない。
大きな話でいうと、椎菜がいよいよ本気を出すか、っていうところで次の巻当たりで、椎菜の玉砕が見られるんじゃないかと思う。報われないキャラにはハマりやすいという自覚があるので、少し楽しみになってきた。椎菜も先が見えてきたからっていうわけではないだろうけど、美香の同級生のエリにもフラグが立ったっぽい。どこまで本編に絡んでくるかは微妙なところ。今の立ち位置だと難しいだろうなあ。39話と40話で上下編のようになっている那波さんの話は、ありがちなのにひねりも何もないから少々興ざめ。乃木坂家のメイドさんでしかなかった那波さんを覚醒させるためにエピソードをでっちあげたって感じ。しかし、本当に覚醒したのか。

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弓弦イズル「IS インフィニット・ストラトス」

アリスソフトの出らしいけど、このひとのゲームってやったことないんだよなあ。「だぶる先生らいふっ」はトモセシュンサクの絵なので、そのうちやってみたいとは思っているけど。
読み終わって思ったのが、「サクラ大戦」で学園モノやるとこんな感じになるのかなあ、ってことだった。霊子甲冑にあたるのが、本書でのIS。霊子甲冑が基本的には女性にしか操れないように、ISも女性にしか反応しない。それをなぜか使えてしまうのが主人公というわけだ。学園モノなので、階級もないし隊長でもなんでもないただのクラスメイトとなってしまうが、かわりに(?)主人公以外女子生徒だけの学校という凶悪な設定となっている。メインヒロインはなかなかデレないさくらみたいな和風女子、サブヒロインはあっというまにデレてしまったすみれ、あるいはグリシーヌみたいなお嬢様系といったところ。
そんなどこかで見たようなお話だけど、さすがに手慣れた感じで、するすると読めて十分面白い。とりあえず、合体技が出たら笑うぞ、と構えつつ次の巻を待とう。

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橘公司「蒼穹のカルマ1」

最初はストライクウィッチーズの亜流みたいに始まったのだけれど、終わってみれば何とも闇鍋的なお話だった。がちゃがちゃしてて、ごちゃごちゃしてて、おもしろかった。こんなごちゃごちゃなのに、というかごちゃごちゃだからこそというべきか、主人公の姿勢には一寸も狂いもないところが清々しい。姿勢っていっても、重篤なシスコンっていうことだけなんだけどね。主人公がどうしてそこまで超人的なのかとか、どこまで性能のいい装備なのかなんてあたりにはつっこみたいところなんだけど、主人公の勢いに引っ張られるように話が進んでいってしまうので、そのうちまあどうでもいいかという気にさせられてしまう。脇を固めるキャラもそれぞれに個性的で、クライマックスとなる戦闘シーンではいかにも、っていう活躍っぷりを見せてもらった。この勢いのままシリーズが続けられたらたいしたもんだけど、さて、どうだろう。

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鳥羽徹「オルキヌス 稲朽深弦の調停生活」

第1回 GA文庫大賞奨励賞受賞作。例によって「奨励賞」という字は控えめな大きさである。こういうみっともない売り方はやめればいいのになあ。せっかくの戸部淑の表紙がかわいそうだ。戸部淑の絵柄からはあくどさとかケレン味とかを感じないから、勝手にいってるだけだけど。
肝腎の中身はというと、まず世界感はいい感じ。太平洋上に突如あらわれた、幻獣(オルカ)の住む島という設定が絶妙。どこか遠い星とかではなく、読者が暮らしている現実世界とつながりそうでつながらない距離感がいい。このあたりは「ロストワールド」を始めとした先達が多いので、オリジナリティに欠けるともいえるけど、最近そういう設定ってあまりなかったからなあ。よくぞ掘り起こしてくれたって感じが強い。
一方、人物描写とストーリ運びは弱いなあ。人物でもオルカはアクが強くて面白く感じるんだけど、主人公を始めとした人間側がどうもいけない。新人調停員っていうことで、能力低めに描いてる面はあるにしろ、それにしたってエリートなんだから、もう少し、こう、何とかならなかったのかなあ。ストーリがいまいちに思えるのは調停能力の低さのせいってのも、間違いなくある。ライトノベルなんだからそんなもんだよ、で終わらすには惜しい作品なんだけどな。

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淺沼広太「ようこそ青春世界へ!」

わりと有名だけど、読んでいなかった作家シリーズ第二弾は、淺沼広太。って、いつの間にシリーズ化したんだか。ちなみにひとり目は、ゆうきりん、だったと思う。
この作品は、変な人はいっぱい出てくるけれど、基本的にはすごくまっとうな学園モノ。内気でかわいいもの好きな双葉薫。高校では手芸部に入ろうと思っていたが、入学した高校には手芸部がなかった。そこで、衣装を作ることが出来るなら、と演劇部の扉を叩くが。ってな出だしで、双葉の演劇部生活を楽しく描いている。主人公は双葉でいいのかな。とにかくかわいらしいので、主人公っていっても兼ヒロインってとこ。となると、ヒロイン属性をすべてそぎ落としたヒロイン的な位置にいるのが、柴村ってことになるんだろうか。うわ。なんかイヤだ。立ち位置さえ除いたら、わりと共感できるいいキャラなんだけどなあ。へなちょこに見えて、どこか一本筋が通っているようなところがあるし。
とりあえず2巻に続くみたいだけど、1巻の展開が予想だにしないものだったので、この先どっちの方向に走って行くのか楽しみ。

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竹井10日「東京皇帝☆北条恋歌 2」

新キャラがふたり。いや、もっと出てるんだけど、レギュラーっぽいのはふたり。ひとりは西園寺家の元メイドで、世界メイド選手権7連覇の連風美文、通称フミさん。もうひとりは、機動魔法兵団のエースパイロットでモデルもこなし、お約束どおり一斗と同じ学校に通う愛藤四菜。かわりに一文字満貫の出番はほとんどゼロに近付いた。人物紹介にも載っていない。でも、このひとの場合、毎回このくらいの出番がありそうな気がする。八田健太はとことん影が薄くなっているけれど、それをネタにしているようなところがあるから、意外としぶといかもしれない。とかいってると、毎回、八田的ポジションに入るキャラが入れ替わっていくだけだったりして~。ともあれ、数少ない男キャラがいなくなって、完全に一斗のハーレム状態。さすがに未来の皇帝は器が違う。

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杉井光「さくらファミリア!」

「さよならピアノソナタ」も終わったことだし、もうひとつなんか読んでみるか。ということで、「さくらファミリア!」を読み始めた。神や悪魔が普通に登場する話ではあるのだが、メインプロットは「さよならピアノソナタ」に似ている。つまり、ダメ親の息子がバカ親の娘と恋をする話なのである。バカ親が世間的には地位のある立派な人物というところも似ている。いや、人物じゃないけど。似ているのはそこまでで、話の出来としては「さよならピアノソナタ」に劣るといわざるを得ない。何が悪いってヒロインのキャラが弱い。ガブリエルやルシファーに完全に食われている。しかし、ガブリエルやルシファーにしたって、三十銀貨財団の事務員(?)に負けているというのがなんとも。こいつなんて、電話口で借金返済の督促してるだけだっていうのに。

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榊一郎「神曲奏界ポリフォニカ チェイシング・クリムゾン」

6編からなる短編集。ひとつめの「パフォーマンス・クリムゾン」はコーティカルテならそういうこともあるだろうなあという話。「ツンデレなんてもう旧いんです」なんいペルセルテにいわせているあたりが、変にいいわけじみていておもしろい。ふたつめが表題作「チェイシング・クリムゾン」。トルバスでの精霊と人間との関係のひとこまを描いたって感じかな。悪くはないけど、表題作になるほどのものじゃないよなあ。3つめの「リコレクション」はレンバルトとフォロンの出会いの話。ほとんど天才にしか思えないレンバルトが、本当の天才に出会ってしまった瞬間にわき上がる思いを描いて、この短編中での白眉といえる。4つめ「リアイラブル・ツイン」。タイトルからわかるように双子の話ではあるけれど、エルベリオに食われちゃってるなあ。5つめは「オフデューティー・チーフ」。ユフィンリーが妙に華やいだ格好をして出かけるのに気が付いた事務所のメンバがー後をつけるが、という話。ヤーディオの保護者っぷりが見所かな。6つめの「キッドナップ・クリムゾン」はアニメ前提の話らしいけど、気にせずふんふんと読んでしまった。

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神野オキナ「疾走れ、撃て! 2」

どっちかいうとミヅキが主人公っぽくなってきたなあ。理宇にしろ、虎紅にしろあまり話を引っ張っていくようなタイプじゃないからなあ。もともとの構想がどうだったかわからないけど、もうこれはミヅキ中心で話進めていくしかないかも。
で、今回のお話はというと、上官と部下としての関係が深まっていく虎紅と理宇に対して、ミヅキがヤキモキしてああどうしよう、みたいな話。とはいえ、理宇からしてみれば、上官としての虎紅に対する信頼が増しているだけで、異性としてどうこうっていうのは、少なくても意識の上ではないっぽい。虎紅は一般的な文脈で見ると、理宇に特別な感情を抱いているように見えるけど、魔導士官と「杖」の関係ってのがこちらが思っているような感情を伴っていないのかもしれないし。ミヅキにしたって、虎紅のかわいさにクラッときているような描写があって、この3人の関係がこれからどう変わっていくか、ってのに興味津々。

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田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc2」

前の巻でも思ったんだけど、設定のわりにはずいぶんまともな物語展開を見せてくれる。この巻では「エターナルイノセンス」の設定で改変された世界に別のゲーム「メモリーロンド」が上書きされてしまう。「エターナルイノセンス」の設定が残ったこと自体が例外的だから、たぶんふたつのゲームで改変された世界ってのもイレギュラーなんだろう。そのせいかどうか、「メモリーロンド」で改変されたのは主人公のごく近くの世界。しかも、主人公のリアル世界での幼なじみが「メモリーロンド」のシナリオ進行に不可欠なキャラになってしまう。一方、本物の幼なじみが現れたことで、「エターナルイノセンス」のキャラクターでしかないことを自覚している理恵は苦悩する。ヒロインを幸せにするという主人公の誓いは守られるのか。みたいな。
今回、春姉と夏海の影が薄い。そのかわりになるかどうかわからないけど、ゆうきがいいキャラに育ってきてる。このままだと、理恵も咲も食われちゃうんじゃないか。

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支倉凍砂「狼と香辛料 XI Side Colors II」

ロレンスとホロの甘々な短編が2本と、エーブがまだ商人になりきれなかった頃の中編が1本。前者は、本編の中でどこかへ向かう道すがらを切り取ったような話で、いってみれば本編でロレンスとホロが言葉のじゃれ合いをやっているのの拡大版。そんなに新鮮味はないけれど、たまにはこういう甘いのもいい。エーブの中編は、ある程度話の行き着く先が見えてしまうだけに、エーブならぬフルールがいつそれに気付かされてしまうのかというのが気になって、どきどきしながら読んだ。エーブもこういう時代があったんだねえと、ちょっとばかしほのぼのとしてしまった。

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佐藤大とストーリーライダーズ「続々殺戮のジャンゴ害伝 地獄のビッチハイカー」

「脳Rギュル」が好みだったので、佐藤大の著作を探してみた。で、あたったのがこれ。B級テイストたっぷりのタイトルである。ちなみにニトロプラスの「続・殺戮のジャンゴ(18禁)」はやったことはないが、同じ世界を舞台にしたお話らしい。設定はありがちといっちゃあありがちだが、SFっぽく作り込んである。先住機械知性との協定により、電子機器などの文明の利器を使うことが禁じられた惑星スィートウォータでは、人類がまるで西部劇のような生活を営んでいた。みたいな感じで。主人公は制限された中でもなんとか使用できる映像記録装置8ミリを駆使して、「天国までイキたいの! ビッチハイカーTV」のディレクターからカメラマンまでをこなす中年男。ビッチハイカーってのは、この番組のネタとなる女の子たち。惑星スィートウォータの荒野に放り込まれたビッチハイカーが、荒くれ野郎どもに手ひどい洗礼を受ける様子を盗撮し、放映するというのが、この番組なのだ。
と、まあタイトルに負けず、中身もB級。ただ、このB級っぽさが、ライトノベルの群れに放り込まれてしまうと、なんともスタイリッシュに思えてしまうのが不思議である。いかがわしさよりも殺伐さののほうが強く描き出されているっていうのも、こういう感想に繋がる理由なんだろう。

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葵せきな「生徒会の五彩」

タイトルに困ったからっていって「五彩」はないだろうと思ったのだが、念のため調べたら陶磁器の種類らしい。表紙が杉崎だから、碧陽学園生徒会の五彩ってのは杉崎のことか~。なんてことはないわな。たぶん。
今回もいつものようにやくたいもないおしゃべりがほとんどであり、このシリーズを読んでいる目的がソレだからまったく問題がない。むしろ歓迎の意を表すところなのだが、それとは関係ないプロローグとエピローグのところの話が一応のクライマックスを迎えたらしい。らしい、っていうのはあとがきでそう書いてあるからであって、読者としてはわりとどうでもいい話だからである。作者の意図しているとことは別にして、プロローグとエピローグって蛇足にしか思えないんだけどなあ。近い将来、こういう無駄なおしゃべりだけで話が進むような小説がジャンルとして成立したりしたら、このシリーズは過渡期の産物として語られるのであるまいか。

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八薙玉造「鉄球王エミリー」

タイトルからしてネタバレ全開だけど、今回、最終巻ではいよいよエミリーがラゲーネン王国の王として立つ。王位継承権を捨てたエミリーがどうやって王になるのかという話はともかくとして、敵はヴェルンスト王国の「血風姫」ヴィルヘルミーネ。兵力においても個人的技量においても圧倒的なヴィルヘルミーネを倒すすべはあるのか。ということで、まるで大河ドラマのクライマックスのような堂々たる戦記っぷりである。登場人物の性癖に多々問題はあるものの、最近のライトノベルでこんな骨太の話を読めるとは思わなかった。
この作者さん、1巻の時点でもう出来上がっちゃっているようなところがあって、あまりうまくなったという気がしないのが気になるところ。もうひとつ何かあれば、もっとおもしろくなるんじゃないかと期待し続けて最終巻まで来てしまった。まずは次のシリーズに期待をつなげたい。

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栗本薫が死んでしまった

栗本薫が膵臓ガンで亡くなった。まだ56歳ということだ。このひとの場合はどれだけ生きていても道半ばで倒れることになっただろうけれど、それにしても早すぎるよなあ。
今はもう読まなくなったが、ある一時期は本当に好きな作家のひとりだった。「グインサーガ」には100巻以上つきあった。正直、面白いと思って読んだのは最初のほうだけど、それでも新刊が出るたびについ手に取ってしまっていた。公約の100巻を過ぎてもちっとも終わらせる気がなさそうだったので、もう読むのをやめてしまった。今は何巻になったのかな。「魔界水滸伝」も結構熱心に読んだな。クトゥルー神話を知ったのは、このあたりからだったかもしれない。忘れちゃいけないのが、数少ない短編集。「火星の大統領カーター」みたいなバカ話から、「心中天浦島」みたいな正統派まで、意外といろいろ書いている。「心中天浦島」は探せばまだうちにあるんじゃないかな。
ミステリ方面はまったく手つかず。いったい何冊書いたんだろうねえ。作家の年齢が著作数で数えられるなら、もう一生の十倍は軽く書いているんじゃないか。もっとペースを落として、身体を労ろうなんてことはできないひとだったんだろうねえ。合掌。

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藍上陸「アキカン! 8缶めっ」

今回はカケルの妹アユムの話。アキカンはまったく関係ない。前の巻で男屋に啖呵切って、いよいよ「アキカン・エレクト」つぶしが始まるのかと思っていたのに、なんでいきなり妹の話なんて始めたかはよくわからない。これまで妹に言及したことってあったっけ。カケルの家族がらみの話をちゃんと書いておきたかったのかなという気はするけど、それにしても、こんなスピンオフっぽい話じゃなくて、本編に沿った形でやって欲しかったなあ。アユムのキャラクターそのものはこれまでの「アキカン!」にいなかったタイプで、おもしろいんだけどね。あ、あと、バニーさんの過去も書きたかったのかも。こっちは、なんだかよくわからないけどすごいひとっていうキャラクターが確立しちゃってるから、そのまま謎のひとのままでもよかったんじゃないかとは思うけど。

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阿智太郎「魔界ヨメ! 第3巻 堕ちた学園」

魔界ヨメが学校に通うといい出して、良夫は何とか思いとどまらせようとしたものの、当然そんなものが通じる相手ではない。学校に通い出した魔界ヨメがどんな騒動を引き起こすのか。という話。それ以上でもそれ未満でもないんだけど、こういうありふれたネタを扱わせると阿智太郎はうまい。っていうか、そういうのしか書かないひとだけどね。今回もまず、魔界No.1催眠術師を登場させて、魔界ヨメがやったことを催眠術でみんな忘れさせてしまう、というわりと穏当な手段から始まって、それをうまいぐあいにエスカレートさせて、オチに持ち込んでいる。いつもだと飽きるだろうけど、たまに読むと、ホントのんびりできていいなあ。小説の感想として、のんびりできる、っていうのもどうかと思うけど。

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井上堅二「バカとテストと召喚獣 6」

今回の表紙は工藤さん、だと思う。誰かわからんって、これ。ポジションとしてはムッツリーニの相方ってことで落ち着いたみたいだから準レギュラーというところだけど、あまりビジュアル面でどうこうっていうキャラでもないし。今回の話でも、召喚獣が妙な特殊能力を発揮した以外では目立ってないし。
今回は補習で話が始まる。なんとかして補習を抜け出したいFクラスのメンバーが試召システムの不調を逆手にとって、補習を肝試しに差し替えてしまう。さらに、その肝試しがどういうわけか3年生との対決になってしまう。と、こう書いてしまうとわけがわからない話だが、作品内では一応整合性はとれているので安心されたい。
そんな感じで、試召システムの不調により妖怪形態となってしまった召喚獣を使った肝試し対決が始まるのだが、当然のごとく、美波や瑞希による明久争奪戦も同時に発生するわけで、このところ美波にリードを許している瑞希がどんな巻き返しを見せるか。そっちももうひとつの読みどころといえよう。あ、いや、こっちがメインか。

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おかゆまさき「森口織人の陰陽道 巻ノに」

巻ノに、ってどんどん続いちゃったらどうするつもりなんだか。巻ノさんじゅうろく、とか。まあ、ないだろうけど。
それはそれとして、この巻はノって書いてるのが伝わってくるなあとか思っていたら、1巻は三人称小説だったけど、この巻は一人称で書いてる、なんて書いてあった。そうか~。それは気が付かなかったけど、このひとって一人称のほうがあってるんだろうなあと、しみじみと納得したのことだった。
この巻で明確になったのが、タイトルの由来。いよいよ主人公も陰陽師を目指すのかなといった感じになってきた。と、いうことはもうひとつの「森口織人の帝王学」のほうは、財閥側の話になるんかね。今の刊行ペースでは先は長そうだなあ。おっと、話がそれた。で、この巻ではいっしょに陰陽師になろうというのが何人か出てきて、そのうちのひとりが新キャラ三兆院琉夏。「三兆院兵法」の流れを汲む陰陽師で、かつ、お嬢様キャラなんだけど、致命的に抜けているところがなんとも楽しい。

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築地俊彦「けんぷファー 5」

何かのれないなあと思い続けて、もう5巻。理由はいろいろあるけれど、中でも一番大きいのは気に入ったキャラクターがひとりとしていないっていこと。「まぶらほ」の反動でわざとハズして書いてるんかなあと思うくらい、ろくなのがいない。出てくるヤツ出てくるヤツみんな自分のことしか考えてないし、主人公といえば盲目的に佐倉さんのことを崇め奉っているだけの狂信者だし。いや、実際この主人公に関していえば、唐変木とか鈍感とかいうことばは生ぬるい。シリーズそのものの大ネタへの伏線になっているように見えるので、そっちが気になって読み続けているけど、最後まで読んでそうじゃないことがわかったら、ひどい脱力感を味わうだろうなあ。

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寺田とものり「超鋼女セーラ ソラの恋人 あの娘のトクベツ」

今回の表紙はちっちゃいセーラ。コスチュームも新調しちゃって、あざとさ全開。
高校生ボディがベッキーとの戦いの後遺症でおシャカになっちゃって、かわりに引っ張り出してきたのが、中学校入学時のボディ。それにしちゃあ、小さすぎるだろ、と突っ込むのはヤボといわれるだけか。何にしても、ロボ娘らしさが目一杯生きた話だってのは間違いないところだけど、時期が悪い。なにしろ、超鋼機武道会の真っ最中。スペックダウンしたセーラを狙って、謳夏高校に殴り込んできた高校があった。しかも、女王宮の内紛がらみでなにやら怪しげな様子。
みたいな感じで、今回はひさしぶりに超鋼機武道会の話。茸味とセーラのらぶらぶ話もいいけど、たまにはこういう話もなくっちゃね。

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六塚光「ペンギン・サマー」

bk1で見かけて気になっていたんだけど、書店で見たら大森望が「こんなxxSFが読みたかった」なんて書いているものだから、背中を押されるように買ってしまった。
「xx」のところには「時間」が入るのか「伝奇」が入るのか、はたまた「少年」が入るのかってのは読んだひと次第だろうなあ。KONKONとしては「伝奇」を推したいところ。
正直、傑作とはいえないけど、好き嫌いでいえばかなり好きなほう。古くからのSF好きにとっては愛すべき小品といったところではないか。もしかすると、普通のライトノベル読者からは受けが悪いくらいかもしれない。出版社もそれがわかっているから、大森望に帯、書いてもらったんだろう。ライトノベルのメインの読者層が大森望を知っているとも思えないし。

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逢空万太「這いよれ! ニャル子さん」

まず、これだけはいわせてもらう。タイトルに偽りあり、だ。ニャル子さんは這いよらない。ずっと人型で二足歩行をしている。ニャルラトホテプっていうから、ぐちゃぐちゃのぬとぬとのを期待していたりすると、裏切られたと感じることだろう。
そこさえ気にならなければ、キャラクターノベルとしての出来はかなりいいんじゃないだろうか。主人公だかヒロインだかよくわからないニャル子さんは、無駄にスペックが高い「超自宅警備少女ちのり」って感じ。やっぱ、人間(じゃないけど)見た目が大切だなあ。相方でヒロインだか主人公だかわからない眞尋も、本人は常識人のつもりでいるみたいだけど、命の恩人をフォークで突き刺すとか、ニャル子さんのボケに的確に突っ込むあたり常人ではあり得ない。っていうか、ニャル子さんは存在自体が異常だから何をやってもそういうもんだと思っちゃえるけど、眞尋の行動は同じ地球人としていろいろどうかと思うところが多い。
きっと続きが出るだろうから、今度はどんなキャラクターを出してくるのか楽しみ。

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川原礫「ソードアート・オンライン1 アインクラッド」

「アクセル・ワールド」から読み始めたので、ネットで公開されていたという本作はこれが初めてということになる。「アクセル・ワールド」でも思ったけど、この作者って王道好きだねえ。こっちの期待どおりの展開をしてくれる。そこがモノ足らないという向きもあるだろうというのは容易に想像が付くけれど、今のところは安心して楽しめる作家がひとり増えたと喜んでおこう。
ところで、これは「1」って付いているけど、一冊で完結しているようなお話になっている。もしかすると、これが長大なプロローグだったりするのかなあ。ともあれ、ちゃんと結末を迎えているので、話の進み方が早いのにはびっくりした。よくよく考えてみれば、一冊っていう分量としては早すぎることはないんだよね。完結しないつもりで読んでいたっていうのもあるけれど、他のライトノベルのペースに慣らされてしまったってのも大きいような気がする。

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須賀しのぶ「アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭」

「カンピオーネ!」に続いて、まんが王倶楽部のプッシュ作品。「カンピオーネ!」と違って、表紙だけ見てたらけっして買わなかったと思う。
ひとをアンゲルゼと呼ばれる生命体に進化(?)させる天使病という疫病が猛威をふるう世界が舞台。アンゲルゼは人類よりも数段強靱な生命体で、ひとを補食するという習性があるため、アンゲルゼと人類との間では小競り合いが絶えない。日本でも徴兵制が復活し、中学生も軍事訓練を受けなければならない。主人公の少女はそんな中学生のひとり。ひとことでいってしまえばへたれなんだけど、そのへたれっぷりを引き起こしている人間関係ってのが何とも陰鬱。男向けのライトノベルだと主人公のへたれっぷりに腹を立てちゃうんだけど、コバルト文庫のこれは、今の中学生ってこんな環境で生活してるのかなあと心配になってしまう。主人公に腹を立ててはいるんだけどね。ホワイトハート文庫の「十二国記」も暗い出だしだったから、少女小説ってこういうのが定番なのかもしんない。
主人公のお相手となる男性陣は、容姿についてはあまり詳しく描写していないけどたぶんみんな美形。幼なじみの覚野はツンデレなのかな。このあたりの人物配置は、性別が反転しているだけで、男向けも女向けも似たようなものかも。

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丈月城「カンピオーネ! 神はまつろわず」

まんが王倶楽部でプッシュしていたのと、シコルスキーさんの表紙が購入動機。
地上にに7人のみ存在する神殺しの魔王「カンピオーネ」のひとりである草薙護堂が主人公。いきなり魔王として登場する主人公っていうのも、すごい。魔王だけど、ライトノベルの主人公らしく女性には弱い。そんな主人公がイタリアの「紅き悪魔」こと、エリカ・ブランデッリに引きずりまわされた挙げ句、神々の女王アテナと戦うハメになるってのがこの巻のお話。アテナにまつわる蘊蓄を並べ立てているけれど、もしかしたら底は案外浅いかもと思えちゃうのが残念。主人公の権能上、毎回こういう蘊蓄がでてくると思うんだけど、ここらへんをもっと底が知れないと思わせてくれると、もっとおもしろくなるんじゃないかと思う。もうひとつ残念なのが、シコルスキーさんの絵がお話に合ってないところ。こういうお話だったら、もっとくどい絵柄の方がいいんじゃないだろうか。2巻以後は学園ものになりそうなので、そうなったら話は別だけど。

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入間人間「電波女と青春男」

購入動機は、いかにもなタイトルが半分、表紙のピザ食ってる女の子が半分。中身はタイトル通りの青春っぽい話であった。青春小説というよりジュブナイルに近い感触だけど。
田舎から都会に出てきて叔母のところに住むようになったのはいいものの、その叔母の家の玄関で目撃したモノは布団で簀巻きになった女の子だった。というシーンから始まるお話。簀巻きにされたじゃなくて簀巻きになった、ってのがポイント。自由意志で布団を巻いているんだよね。で、この女の子が電波女。都会に出てきた少年が青春男。電波女ってのはなんとなくわかるけど、青春男ってなんだ。「俺は男だ」みたいなのかと思ったらそうではなく、自分で考案した青春ポイントってのを集めるというかカウントするのが趣味の変な男なのであった。でも、ポイント化しちゃうから変なだけで、青春っぽいイベントを求める少年ってのはごく普通だよなあと思ったり。求めよさらば与えられん。ってわけで、電波女との遭遇も含めて、わりと青春っぽいイベントに遭遇してしまいがちな少年の生活を、なかなか楽しく読ませてもらった。

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野村美月「"文学少女"と神に臨む作家 上/下」

いよいよ本編最後の一話となる上下巻。ラスボスは遠子先輩。正確にはちょっと違うけど。
このシリーズを読み始めた頃は、最後は本を食べる"文学少女"っていう存在そのものの謎が解き明かされるのかなあと思っていたのだが、それははずれだった。"文学少女"は存在するっていうのは前提条件だったんだな。いってみれば、巨大ロボットアニメで人型兵器の存在そのものに疑問を持たないようなものか。
では何が解き明かされるのかというと、遠子先輩がなぜ流人くんとその母である叶子おばさんと暮らしているのかとか、なぜ主人公を文芸部に誘い込みおやつを書かせているのか、とか。
読みどころは、琴吹さんとのお付き合いを求めつつ、その一方で遠子の事情に深入りしようとしてしまう主人公のへたれっぷり。京極堂の関口を思い出させるようなひどさである。関口はただのへたれだが、こっちの主人公はへたれの上に不誠実だ。京極堂の立場にあるはずの遠子先輩が憑かれちゃってるような状態だから、まともに話をしめることが出来るのかが不安なくらいだった。

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田中ロミオ「人類は衰退しました 3」

妖精さんたちと滅び行く人類との交流を描く本シリーズももう3巻。この巻は少し趣向を変えて、人類が衰退する前の遺跡を探検するお話。しかも、妖精さんは電磁波に弱いらしく、今回はほとんど出番がない。これまでは妖精さんワールドの不思議な力で守られていた主人公だったが、今回ばかりはわりと真剣にサバイバルしちゃってる。妖精さんのかわりにというわけでもないだろうけど、探検に同行するのが2巻で登場した助手さん。このひとも不思議な人格だなあ。女だったら不思議少女っていうカテゴリにはまっちゃうんだろうけど、男でこの性格はまだカテゴライズされていないんじゃないだろうか。そして出会う猫耳少女的ななにか。過去の人類は何を遺していったのか。みたいな、読みようによってはわりと正統派SFチックなことになってる。

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月見草平「姫宮さんの中の人 5」

最終巻。このシリーズの場合はちとせが「外の人スーツ」から外に出て学園生活を送る、っていうゴールが最初から決まっている。そのままバカ正直に終わるわけではないから、どんなひねりを加えてくるかっていうのが見所のひとつ。もうひとつ、主人公の気持ちが誰に向いているのかをはっきりさせるというのもある。物語の展開的には後者のほうが気になるところだったが、これはまんまと肩すかしを喰らった。「二ノ宮くん」のときはそれもいいか~、って思ったけど、こっちはあまりそう思えないんだよなあ。なんでだろ。前者の「ひねり」のほうも無理矢理でっちあげたように思えて、いまいち乗れなかった。読んでいた感じはそんなに悪くなかったんだけど、こうやって書き出してみるとわりと不満だらけだなあ。

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白瀬修「おと×まほ 5」

あとがきには「新シリーズ始まりの巻」って書いてあるけど、あまりそういう気がしないのは何故だろう。とか書いてみたけど、理由は明白だわなあ。何をやるにしたって、かなたんに恥ずかしいことをさせて楽しむってのがこの作品のメインテーマだもんな。そんなこと読者ならみんな知ってる。
とはいえ、新シリーズらしさもちゃんとあって、ひとつは新キャラクターの登場。今回は3人。あ、いや。ひとりは新キャラってわけじゃないし、別のひとりはこの巻限りかもしれないから、正確に新キャラっていえるのは、指揮者さんと呼ばれる、チューナ側の地位のありそうな人物だけかな。このひとあたりがキーになって、チューナとノイズの戦いの意味を問い直すような話になりそう。

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末永外徒「108年目の初恋。 2」

初々しすぎて読んでいるこっちが恥ずかしくなってしまった「108年目の初恋。」だけど、2巻は路線が少し変わってわりと普通にラブコメしてる。もともと、続けるつもりはなかったみたいだし、1巻の路線で話を書き続けると、恥ずかしすぎて作者が保たないってこともあるのかもしれない。というような事情があるのかないのかは別として、やっぱり1巻のほうがよかったなあ。このレベルのラブコメは掃いて捨てるほどあるし、付喪神や妖怪がらみの話ってのもそれほど目新しいものでもない。リアンがサービス担当ってのは、結構お似合いだなあとは思ったけど。これ出たのが2007年の7月ってなってるから、もう打ち切られたんだろう。続刊か次回作はもう無理かな。とかいってると、ペンネーム変えてこっそり復活したりして。

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霜島ケイ「カラクリ荘の異人たち3 ~帰り花と忘れ音の時~」

暑くなると雪女が気化しちゃうっていう話は初めて聞いたなあと思っていたら、作者のオリジナル設定だったか。その設定を元に話を一本でっち上げちゃうっていうのは、皮肉ではなく、たいしたものだなあと。この雪女がらみの話は本筋ではなく、サイドストーリ的に本筋に微妙に絡んでくる話である。本筋の方は、オビにあるように「君は帰るべきだ」というレンのことば。このシリーズの発端、「家に居場所がなくなってしまい、やっかい払いをされるように空栗荘でひとり暮らし始めた」という場所に立ち帰って、それが本当はどういうことだったのかを確かめる話になっている。異界のことをネタにしながら、現実的なテーマを丁寧に掬っていく姿勢がいい。

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伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 3」

桐乃がケータイ小説を書き始めたら評判がよくて出版のオファーが来たっていうところから始まるお話。まったくこの妹はどこまで才能があるんだか。
まずはその小説のための取材といいつつ、主人公をクリスマスイブの夜に連れ回す。たしかに小説にフィードバックさせようとして一所懸命なんだろうとは思うけど、クリスマスイブとはねえ。そこまで主人公を麻奈美に取られるのがイヤなのなら、もう少しやりようがあるのに。せめて普段の態度を改めるとか。ま、それやっちゃうとこの作品じゃなくなっちゃうけど。
それにしても、麻奈美と主人公の関係っていいなあ。この作品の唯一のオアシスといえる。ハロウィンフェア前夜の話なんて思いっきり和ませてもらった。この先、話がどこに転がっていくにしても、麻奈美は大事にしてもらいたい。
あと、黒猫が編集に啖呵切るところは持ちよかったな。惚れた。

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比嘉智康「ギャルゴ!!!!!5 地伝英雄逃亡大全」

いよいよ、お話もクライマックス。圧倒的な力の差を持つ噂長との直接対決を避けるために、噂長に愛を囁き続ける春男が痛々しすぎる。それでも心は折れてないんだよなあ。なんとかして噂長を倒そうと奮闘を続ける。ついには地伝英雄だということを中村さんやフネを始めとする一般生徒に打ち明けるハメになるんだけど、このあたりいかにも最終回っていうセオリーを踏んでいて熱い展開である。
ラスト1巻。なぜか噂長を苦しめる由井妃唯の存在と、実は真魅ばあちゃんも知らなかったエリアスっていう謎が出てきて、これがどんなラストシーンへと結びつくのか。期待は大きい。

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竹岡葉月「SH@PPLE -しゃっぷる- 5」

今回は短編集。カラーイラストも独立したお話になっている。わけわからんけど。文章の短編は6編。SECがらみのおバカな話がおもしろかった。「放課後天下無双!」での芝目会長の無駄な才能の発揮っぷりとか、「トレジャーハントGO! GO!」でノリノリで宝探しやっている様子とか。どちらも特に目新しいことやってるわけじゃないけど、ただ楽しそうだなあってのがいい。あとは、この短編集の目玉になりそうな、「あこがれ~イカロスの乙女たち~」。密と典子さんとの出会いを描いているんだけど、わりと臆面もなく百合っぽくやっている。ここだけ切り出すと、「マリみて」みたい。

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竹宮ゆゆこ「とらドラ10!」

「ROOM NO.1301」に続いて、こちらも最終巻。続いて、っていうのは読んだ順なので発行順はしらん。
前の巻の終わり方が終わり方だったんで、あと1巻でどうやってまとめてくるかと思ったら、すごい力業。ど真ん中の剛速球といった感じで、ああ、なんかえろげのエンディング見てるみたいだなあと思った。若い頃ってのは何度か悟ったような気になる瞬間ってのがある。そのときだけはわりと無敵になったような気になって、そのうちすぐにへこんでしまうのだけれど、この巻の竜児はその無敵感覚を持続させちゃった状態みたい。勢いで読ませられちゃってるけど、ふと冷静になると結構危ない主人公だわな。きっと、この先の人生で、無敵感覚が切れちゃうこともあるだろうけど、またこの地点に立ち返ってがんばって生きていてください。なんて、小説の登場人物にエールを送りたくなるようなお話だった。

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新井輝「ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック!」

大海さん表紙がいかにも最終巻っぽい。主人公の恋人ってことで普通はヒロインになるはずなのに、ずっと脇役でしかなかったからなあ。最後まで粘ってついにヒロイン奪還か~、とばかり思ってたら最後にこう来るか。まあ、どっちにしても真のヒロインは冴子なんだけどね。なんだかんだいって、この巻でも冴子がらみの話が大半だし。綾さんなんてのもいたけど、シリーズ後半ではかなり影が薄くなってたからなあ。
それにしても、一気に話を畳んだなあ。#10読んでいる限りでは、もう少し続きそうな気がしてたんだけど。13階からひとり減りふたり減りみたいな寂寥感ただよう話も読んでみたかったような気もするが、こういうすぱーんっていう終わり方も悪くない。

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穂史賀雅也「オウガにズームUP! 2」

そういえば、前の巻って普通のクラスメイトって出てたっけ。まったく記憶にないぞ。ククルとか侍族のひととかは憶えているのに。
というわけで、この巻はクラスメイトの宮内さんが登場。難儀な部分もあるけれど、まあ、主人公に惹かれてしまうキャラとしては悪くはないかな。問題はこの先、出番があるかどうか。1巻ごとにサブヒロインが入れ替わるような構成になりそうに思えるんだよね。「ネギま!」でいうとのどかみたいなポジションに落ち着いてくれればいいのかも。
あと、アイスクリーム王子。こいつもロリコンの意味はき違えてるよなあ。ククルは容姿が子供っぽいだけで、ロリータじゃないっての。

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小幡休彌「超自宅警備少女ちのり 2 エクストリーム・エグザミネイション」

あいかわらずアレなヒロインだが、なんかこれはこれでいいような気がしてきた。ペットのダメさ加減をうれしそうにプログに書くひとになったような気分で。
さて、今回の敵は旧き神々。1巻が地底人で2巻でこれか~、と思ったのが正直なところ。一冊だけのネタとして出して来るには豪勢すぎるだろう。3巻以後でさらに強力な敵を出そうと思ったら、オーバーロードでも持ってくるしかないんじゃないか。なのに、帯には「※あと邪神も登場!?」って申し訳程度にちっちゃく書いてあるだけ。そりゃあ、ちのり基準でいえば、登校することのほうが大きい話なんだろう。
自宅警備員なのに学校なんて行っててもいいのかという話はさておき、学園モノになったからには新キャラも少々登場している。やたら存在感が軽いサブヒロインキャラ田中さんがそれ。あくの強すぎるキャラばかりの中にあってはあまりにも普通すぎる。ほっとできるのは確かだけど、この先活躍できる場はあるのか。

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南房秀久「ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻2」

1巻で名前が憶えきれなかったせいで、冒頭からもう何が何だか。芳佳と坂本少佐とペリーヌはまあ、わかる。ルッキーニも何か変なヤツだったなあってことで憶えている。そのほかのメンバーになるとかなり怪しい。サーニャぐらいは憶えていないといけないキャラのような気がするんだが、どうも記憶にない。そんな読者のために、巻頭にキャラクター紹介が6ページに渡って載せられているんだろうけど、見てもわかんないんだよなあ。「ネギま」みたいに書き込みでもしてもらうと助かるんだが。
さらに困るのが、挿絵に載っているのがだれかってのがわからないこと。だいたいは本文と照らし合わせればわかるんだけど、わからないのも残っちゃうんだよね。この巻、読み終わってだいぶわかった気にはなっているけど、次の巻が出るまで憶えていられるかというと心許ない。

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水瀬葉月「C3 -シーキューブ- VI」

むー、何かこの巻はいまいちだなあ。新キャラが何人か出てきたせいで、印象が散漫になってしまっている。その新キャラにしてもいまひとつ惹かれるものがないんだよな。フォーティーンはちょっとおもしろかったけど。
ネタとしては、夜知の家にみんなで集まって試験勉強、ってのと、そのあとのプール。どちらも、これまで出てきたこちらがわのキャラが勢揃いしていて、にぎやかでいいんだけど、だけどやっぱりひとりひとりが印象に残らないんだよね~。これまでこのシリーズを牽引してきたフィアでさえあまり目立っていない。前の巻に続いて、いんちょーさんが萌え担当になってるから、しばらくこの路線で行くのかもしれん。

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成田良悟「デュラララ!! ×5」

あいかわらずの作風なんだけど、このひとの場合はそれだけで満足しちゃうんだよね。不思議な作家だなあ。飽きるの早いのは書く方か読む方か。
さて、今回はダラーズの名を騙る何者かが埼玉の暴走族に闇討ちを仕掛けたというところが発端。ダラーズっていっても不定型な集団だから、名を騙ったわけではなく、単純にダラーズの構成員だったということだけかもしれず、ダラーズ創始者である帝人はどうなっているのかと調べ始めるが、そのまま事件の渦中にに飲み込まれていってしまう、っていうあたりが今回のお話。後ろで糸を引いているのは臨也なのはいうまでもない。もちろんいつもどおりに、複数の出来事が同時に起こっていて、そちらはそちらで目を離しがたいんだけど、「何だか私、割と帝人君の人生の重要な岐路を目撃しちゃってる?」ってとこが読みどころなんだろうなあ。後編が楽しみだなあとかいっていると、中編が出たりして。

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花谷敏嗣「セキララ!! 3」

3巻で終わっちゃったか。2巻の出来が悪かったからかななあ。1巻でやめておけばよかったのに。
この巻も火琉奈の影が薄い。なんで表紙に出てんのって思うくらい。本来ヒロインキャラになるはずだったんだろうに。まあ、うまくキャラを動かせていないっていのは、火琉奈に限ったことでもなさそうなんだけどね。1巻から読んできて思うんだけど、この作者が作るキャラクターはけっして悪くないのに、それがうまくストーリーにからんでくれないような気がする。あと、思ったのが、「邪王戦聖記」側の話のほうが生き生きしてるなあってこと。主人公の黒歴史みたいな扱いだけど、作者としてはわりと気に入ってるんじゃないか。

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岩田洋季「護くんに番外編で祝福を! 4」

「終わらない物語」ってのが冒頭にあって、後はエメレンツィアが日本に帰ってきて護たち東ビ大付属の面々と一週間を過ごす話。最終話からだいぶ間は空いているのに、KONKONとしては珍しくちゃんとキャラクターを憶えていたので楽しめた。ただ、やっぱりテンションは低めなって感じ。後日談みたいなものだからあたりまえだけど。それにしてもわからないのが銀のマリアで、このひとはいったい何しにドイツくんだりまでやってきて暴れてるんだろう。まさか、エメレンツィアに休暇を与えるのが目的、ってわけじゃないよね。

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松智洋「迷い猫オーバーラン! 3」

今回はいよいよ希の話。もともとこの子を拾ってきたところから話が始まったんだから、3巻にしてようやく話が一周したというところか。ところで、希といえば猫、というイメージが強くて、猫っぽい少女というよりも、猫娘とか化け猫とかの仲間かなあと思っていたのだが、人物紹介を読み直したら、別にそんなこと書いてないのな。うーん。あの耳は髪の毛なのか。この巻では、希が拾われてくる前にどこにいたかという話が語られるが、その中でも別に妖怪だなんて書いてないし。どこで勘違いしたんだろう。
あと、この巻は体育祭ネタっていうことで、いつもよりも学園生活の描写が多い。鶴屋さん的ポジションの委員長も登場したりしてるから、この先は学園モノっぽい話が増えていくのかもしれない。

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松野秋鳴「えむえむっ! 7」

バレンタインデーネタの話。そうか~、これ出たのもう1ヶ月以上前なんだな。このところ積んでおく時間が長くっていけない。季節ネタだと文字通りの季節はずれになってしまう。
さて。毎年、この季節が来るとバレンタインデーなんてなくなってしまえばいいのに、という怨嗟の声が巷に溢れるわけだが、この作品ではそれをそのまま小説に仕立ててしまっている。「バレンタインデーをぶっ潰して欲しい」という依頼が第二ボランティア部に舞い込んで、石動先輩はやる気満々。しかし、バレンタインデーに太郎に告白するという決意を固めていた結野は、それに徹底して反対する。そしていつしか、学園中を巻き込んでの闘争になってしまい、っていう話。結野の告白の行方は、ってことでむちゃくちゃやりつつも、ちゃんと話が進んでいるなあといった感じ。
そっちのメインの話はともかくとして、今回は姉貴こと砂戸静香の自覚のなさにびっくり。母さんがイロモノなのは当然として、それを嘲ることができるとは。もしかして自分もイロモノだってことに気が付いてないのか。

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森博嗣「スカイ・イクリプス」

「スカイ・クロラ」シリーズの短編集。実は気が付いていなかったのだが、このシリーズは「クレィドゥ・ザ・スカイ」で終了だったらしい。本編終了後のおまけの短編集といったような位置付けらしい。そのあたりの話は解説に詳しく書いてあるのだが、はっきりいってピンとこない。このシリーズ好きなんだけど、ほとんどストーリが頭に残らないんだよね。この短編集で出てきたひとたちも「ああ、ああ、そういうひといたなあ」と思うけれど、それがストーリに結びついていかない。KONKONがうかつな読者だというだけの話だけなんだけど、好き嫌いとストーリが記憶に残る残らないはまた別の話ということで。

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ヤマグチノボル「ゼロの使い魔 16 <ド・オルニエールの安穏>」

ルイズも才人も、まあ、割れ鍋に綴じ蓋というか、似たようなことを毎回毎回悩みやがって。そろそろ飽きてきたぞー。このふたりが仲睦まじくなったまま、っていう図もちょっと想像しづらいところではあるけれど。というか、才人がモテモテっていうのが前提にあるから、あんまりルイズとばかり仲良くすると話が進まないっていうのもあるんだろうけどなあ。
ちなみにサブタイトルの「ド・オルニエール」ってのはガリアとの戦いで才人が立てた武勲に対してアンリエッタが才人に与えた領地。ついに才人も領主。今回は基本的に大きな戦いもなく、領地に引っ込んでのんびりと暮らす、っていうタイトルなんだけど、国民的な英雄になってしまった才人に対して、ルイズも安穏とした気持ちでいることが出来ずに、「わたし、サイトにつりあう女の子かしら?」なんて悩んだりもするわけだ。
一方、魔法も使えない平民である才人と、彼を重用するアンリエッタに対する反感を抱く貴族も少なくはない。こういう動きがどうなるのかってところも、前ガリア王ジョゼフ亡き後の話の軸になっていくのかな。正直、長くなり過ぎちゃったなあと思うけれど、まだまだこの先も続きそうだ。

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築地俊彦「まぶらほ ~じょなんの巻・よん~」

短編が5編。いや、前後編みたいなのがあるから、4編っていったほうがいいのかな。この巻は和樹に平穏が訪れている。ここまで夕菜の攻撃が少ない巻ってのも珍しいかもしれない。かわりにゲームに付き合わされたり、女性化したりしているけど、命の危険がないから十分平和といっていいだろう。特に女性化の話「レディ・ボーイ」での夕菜の上機嫌さは不思議なほどである。和樹が男にいい寄られたらどう反応するのかというのが見てみたかった。これに限らず、全体的にツッコミが足らない平凡な出来が多い。
少し気になったのが、「かおりのゲーム人生・その1」。型遅れのノートPCでゲームとか、PCゲームなめんなー、というわけではない。その1、ってことは続くんだろうなあってこと。さすがに伊庭先生をサブヒロインに昇格、とかはなさそうだから、紅尉先生がらみの話にするのかね。

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犬村小六「とある飛行士への恋歌」

2008年、というよりもオールタイムベスト級の傑作「とある飛行士への追憶」と同じ世界を舞台にした新シリーズ。前作の出来がよすぎたから、シリーズ化することに不安はあったけれど、どうやらうまくテイクオフできたかなって感じ。
主人公は、革命によって潰えた皇室の皇子カール・ラ・イール。ヒロインは革命軍の御神輿だった「風呼びの少女」ニナ・ヴィエント。仇敵同士のふたりが、革命政権の蹉跌によりともに不要な人間と見なされ、世界の果てを探すプロジェクトの要、空飛ぶ島イスラに追放されてしまう。両親を殺した革命の象徴であるニナ・ヴィエントを激しく憎む主人公は、その憎しみを胸にイスラに乗り込むが、といった話。主人公は飛行士ではあるものの、ほんのひよっこに過ぎず、前作の主人公のような見せ場は作れそうにない。当然、空戦はあるだろうから、この先イスラが戦火に巻き込まれる事態に持ってくんだろうなあ。行き先はよくわからないけれど、まずは期待して待とう。

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川原礫「アクセルワールド 01 黒雪姫の帰還」

書いている方はたぶんそんなふうに思ってないだろうけど、80年代テイスト全開だわ、これ。舞台設定はサイバーパンクだし。対戦格闘ゲーム流行ったのもちょうどその頃だったはず。主人公のデュエルアバターなんか、まんまんバブルガムクライシス。80年代テイストってくくっちゃいけないかもしれないけど、ソーシャルカメラは「1984年」っぽいよなあ。ダイビングヘッドバッドの自爆っていやあ、ダイナマイト・キッドを思い出さずにはいられない。さすがにこればかりは99パーセントKONKONが勝手に思い込んでるだけだと思うけど。っていうか、主人公はヘッドバッドをなめ過ぎ。どうも、この主人公には共感できないなあと思っていたが、ヘッドバッドをバカにした時点でもうあきらめたわ。
あ、お話自体は王道一直線。意外性はほとんどないけど、ちゃんと盛り上げるべきところを盛り上げてくれるので、おもしろい。あと、もしかすると西遊記をベースにしてるのかなとも思ったり。となると主人公は孫悟空で、黒雪姫は玄奘三蔵か。主人公は猪八戒だろ、っていわれそうだけど。「護くんに女神の祝福を!」もちょっと混じってるかなあ。もしそうなら、今後のらぶらぶ展開に期待。

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蒼山サグ「ロウきゅーぶ!」

最初、なんでこんなタイトルなのかわからなかったんだけど、よくよく考えたらそのまんまやないか。「C3-シーキューブ-」とか読んでるもんだから、語呂的にそっちを連想しちゃってた。
というわけでタイトルどおり籠球部の話。部長と小学生との交際がばれて、部活動停止になってしまったバスケット部の一部員が主人公。それが小学校の教員をやっている叔母にハメられて、女子小学生のバスケット部のコーチになることに。帯には時雨沢恵一が「このご時世に、あえて小学生女子(それも5人も)をメインヒロインに持ってきた作者の勇気を私は買おう」とか書いているが、ご時世もなにも物語世界内だけで考えても、あり得ない選択だよなあ。
そんな設定なんだけど、実のところかなり熱いバスケ小説。特にメインヒロイン格の智花がすばらしい。読んでいて、あの名せりふ「先生、バスケがしたいです」が何度頭の中で繰り返されたことか。それはいいんだけど、対男子バスケット部戦を前にくぐっと気持ちが盛り上がったところで見開きでお風呂シーン、は止めい。電車の中だったからかなりびびったぞ。

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杉井光「ばけらの! 2」

ヒカルとイヅナのらぶらぶライフの2巻。
第1話「ミスター・マタニティ」はラーメン対決の話。なんでこういうタイトルなのかはさっぱりわからない。マタニティってのは何か別の意味があるのか。エムさんの本気っぷりと、決着点の意外さがよかった。どうでもいいけど、イヅナの大食いっぷりを読んで、「虎、肥ゆる秋」を思い出してしまった。
第2話「黛亜里沙」は石垣島で出会った妖怪の話。なんと目からビーム、が使える。亜里沙さんと古い因縁がありそうで、ひどく嫌っている。そんな話なので、亜里沙さんの出番が多いんだけど、このひと無闇にスペックが高いわりにはキャラが立ってないんだよなあ。読み終わってみたら、「リア充、リア充」とご満悦だった男爵の印象ばかりが残る。
第3話「鴻池ジン」。ジンっていうと鋼屋ジンか。そんなに単純じゃないかな。美少女と見まごうような男性ライトノベル作家。こいつがヒカルの部屋に転がり込む。しばらくするとイヅナが不機嫌になるのだが、その理由ってのがふるっている。
挿話「一人と一匹のクリスマス」。まあ、らぶらぶですな。
いってしまえばみんなくだらない話なんだけど、この作者さんってこういうの書かせるとうまいな。下手なひとだとただくだらないだけでおわっちゃうけど、ちゃんと読ませる作品になってる。

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榊一郎「神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 1」

学生編っていうから、キネティック版と小説版の間の話が入っているのかと思ったら、まんまキネティック版だった。ろくに調べずに買ったのも悪いと思うんだけど、ちゃんと「キネティック版のノベライズ」ってひとこと書いておいてくれれば回避できたのに。こういうことやられると、作品の出来とは関係なく評価を下げざるを得ない。この先、キネティック版の先に話が進むまでは、買わないようにしなければ。

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竹宮ゆゆこ「とらドラスピンオフ2! 虎、肥ゆる秋」

今回のスピンオフは短編集。全5編。表題作となる「虎、肥ゆる秋」は、タイトルどおりの内容。実のところたいしておもしろくない。収録されている中でも下の方のレベル。逆に面白かったのが、春田を主人公に据えた「春になったら群馬に行こう!」。本編でもほとんどバカにされているだけのキャラなのに、春田が主人公なんてねえと思ってしまうが、でも、おもしろい。バカなのは相変わらずだが、そのバカっぷりが気持ちいい。変に利口ぶったてしょうがないんじゃないの、みたいな気持ちにさせてくれる。群馬いいね群馬。群馬行きたくなっちゃったよ。

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木村航「ミラクルチロル44キロ Bパート・ミラクルフレーバー」

Aパートを読み終わった時には、それなりに続きが楽しみだったような記憶があるんだけど、なんかわりとどうでもよくなってしまった。二分冊ってのもなかなか難しいね。続けて出せないのなら、溜めておいて、一緒に刊行のほうがよかったのかも。勝手に間空けて読んだKONKONがいうのもなんだけど。
さて、死人を間に挟んだ三角関係と、家族の崩壊と再生みたいな、題材としてはわりとポピュラーなものをどうライトノベル風味に料理するかっていうあたりが読みどころなんだろうと勝手に思ってたんだとげ、あまりそういう方向には行かずに、ずいぶんと普通の小説になっている。ライトノベルのレーベルで出す必要ないじゃん、っていうレベルなんだが、かといって純文学でもないし娯楽小説という感じでもないし。米英だったら主流小説ってジャンルがあるけど、日本だとどこに収まるんだろう。案外ハヤカワJAとかFTあたりがしっくりきたりして。
とりあえず、Bパートのお気に入りキャラは、主人公のお母さん。

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神野オキナ「疾走れ、撃て!」

表紙買い。魔導士官の制服姿の柴神少佐が素晴らしすぎ。買った後に「ぷりんせす・そーど」のひとだなあと気が付いた。他に、この作者の作品では「あそびにいくヨ!」のコミック版読んでいるが、これも表紙買いだったんだよなあ。この作者はわりと絵師に恵まれているのかもしれない。
お話はというと、謎の敵に侵略されている世界で、学生兵士として徴集された主人公が、なぜか柴神少佐に見いだされて、護衛士官に任命されるとう話。学生兵士ということもあってか、学園モノのしっぽを引きずっているようなところもある。なんか最近似たような設定の話を読んだなあと思ったら、「東京皇帝☆北条恋歌」か。「マヴラブ」あたりからこういう戦場と学園モノがくっついたような話が多くなったなあ。いや、その前に「ガンパレ」があるか。戦場に学園モノに、次は何がくっつくのかねえ。

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神崎リン「ヒメゴトシステム1 先輩、セップクです!」

なんか、こう、もっとバカ話だと思ったのに、わりと普通。バカ話の範疇には入るんだろうけど、バカの程度がいまいち。こういうのはもっと突き抜けてないと楽しめない。
主人公は放送部員で、ぐうたらだけど美人の部長とふたりっきりでぐてぐでの放送部生活を過ごしている。その放送部の部室に、桜桃城主の子孫を名乗る女の子が、城を取り戻しに来たと名乗り出る。この放送部がある学校、桜桃学園は桜桃城址にあり、その本丸が放送部の部室なのだという。このあたりの設定がバカ話っぽいといえばそんなのだが、その先に話が広がらないんだよね。なんで城を取り戻したいのかもよくわからんし。このあたりを説明し出したら、案外バカ話っぽい展開をスパっとやめちゃうのかも、っていう気もするけど。とりあえず、購読は継続の予定。

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田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」

キワモノ臭が漂ってくるようなタイトルと表紙で一旦スルーしたけれど、何日か後にまた気になって結局購入。読んでみたら、意外とまとも。世界を改変する機会を与えられた主人公が、自分の好きな美少女ゲームに合わせて改変してしまった、というこの作品世界誕生のきっかけだけはキワモノだけど、その結果出来てしまった世界の中で生きる主人公やヒロインたちの生活は、あたりまえのように現実的。まわりが現実的なのに、ヒロインの設定は美少女ゲームそのままだから、そりゃあもう大変なことになるのは目に見えている。ヒロインたちと幸せなエンディングを迎えることは可能なのか。
ってな感じで、こういう世界を望んでしまうような主人公だから、へたれに決まっているんだけど、こんな世界にヒロインたちを連れてきてしまったっていう責任感が主人公を変えていくんだよね。このあたり、ひとの親になることのメタファーに近いんじゃないかと思ってしまったんだけど、どうなんだろう。

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竹井10日「東京皇帝☆北条恋歌 1」

タイトルにつられて買った。だって、「東京皇帝」だぜ。千代田区千代田1番の住まう方の立場はどうなってるんだろう、とどきどきしながら読み進めたが、お約束どおりスルー。まあ、そうなんだよなあ。ライトノベルでそのあたりのところに茶々入れるとかせんだろうなあ。「東京皇帝」なんていうからスルーするわけにもいかんのじゃないかなんて思うのが期待しすぎというものだ。
じゃあどういう話かというと、こんな話。何故か東京帝国という国があって、何故か少女たちに支配されている。そのしてその少女たちが、主人公が通う皇泉学園に何故か転入してくる。なんかよくわからないことだらけなんだけど、勢いで強引に話を引っ張っていってしまう。その勢いの源泉とでもいうべきなのが、東京皇帝宰相の南徳原来珠。ちなみに主人公の婚約者である。まずは、この来珠の冒頭のへたれっぷりを愛でることができれば、あとは楽しく読めることだろう。

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佐々原史緒「暴風ガールズファイト / 同2」

ラノベ読みの先達として仰ぐ某氏にに勧められて読み始めた。最初は、なんかぎごちない文章だなあと思ったけれど、文章のリズムが合ってくるとそれも気にならなくなった。あとは、主人公と一緒になって、五十嵐千果に振り回されるように読み進めてしまった。いやあ、勢いある話書くわあ。弱小同好会でしかなかったラクロス同好会を部に昇格させて、公式戦出場まで持っていくっていう、成長っぷりが頼もしい。全然毛色は違うけど、国盗り物語あたりと同じノリだな。話が進むにしたがって、島あかねとか宮前雪乃みたいな、いかにもライトノベルっていうキャラの存在感が薄くなってくるのが妙にしっくりときてしまう。2巻の締め方もよかった。
3巻の刊行は未定とのこと。正直、この勢いでこの先を続けるのは難しいとは思うけれど、ここで終わりってのはいかにも惜しい。

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高橋弥七郎「灼眼のシャナ XVIII」

フレイムヘイズと「仮装舞踏会」との戦いもいよいよ佳境へ。戦いを優勢に進める「仮装舞踏会」は世界中のフレイムヘイズの拠点に向けて侵攻を強める。防戦一方のフレイムヘイズだが、その世界中に広がる戦いをよそに、「仮装舞踏会」の本拠地「星黎殿」へとシャナ奪還のための侵入を図るヴィルヘルミナたち。それと歩調を合わせるようにフレイムヘイズの決戦兵力が「星黎殿」を目指す。といった感じで、シリーズ最大の見せ場って感じだねえ。これなら作者のいう「痛快娯楽アクション」っていうのも頷ける。もちろん、「痛快」であるためにはシャナの復活がかかせないわけだが、これもきっちり期待に応えてくれる。この巻は燃えるぜっ。

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平坂読「ラノベ部 2」

ラノベ部設立のエピソードが語られてて、その中の竹田が泣ける。いやー、絶対マネできんわ。皮肉抜きで尊敬してしまった。いいヤツだな~、竹田くん。文香ちゃん、見る目あるねっ。
新キャラでは留学生のリア・アルセイフが登場。変な方向に日本通の外人ってのはありがちっちゃあ、ありがちだけど、それだけに安定しておもしろい。1巻は扱っているネタの割にはジュブナイルっぽい話だなあと思っていたが、リアの加入で一気にライトノベルっぽくなった。それがいい方向だとはいい切れないけど。
既存キャラでは、堂島が意外と熱くなりやすい性格なんだなあとか、雪華ちゃんのおねえちゃん好きはやっぱりすげえなあとかあるけど、やっぱり美咲容赦ねえなあ、ってのが一番印象に残った。

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今野緒雪「マリア様がみてる ハロー グッバイ」

あとがきによると「ハロー グッバイ」は「ごきげんよう ごきげんよう」だそうな。いわれてみれば、なるほどこれ以外にはないサブタイトルだなあと感心した。何巻出たんだっけ。長かった「マリみて」もいよいよラスト。一時妄想したような大河ドラマ化は起こらなくて、「祐巳とお姉さま」の話できれいに終わった。シリーズの流れとしては、祐巳のスール探しのあたりが最後の山場で、あとは長いエピローグみたいな感じだった。最後にもう一回盛り上げてくるかなあとも思ったけれど、そんなこともない静かな終わりかただった。それでいて物足りないということはなく、いつまでも余韻が残るような。特にラスト直前のお姉さまとのやりとりは絶品。こういう終わらせかたもあるんだなあ。

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野村美月「"文学少女"と月花を孕く水妖」

今回は特別編。時間軸でいうと、2話目の後で、登場人物が雨宮蛍を想起するシーンがあちこちにちりばめられている。ネタとなる作家は、泉鏡花。「水妖」といえばこのひとか、とピンときたひとも多いだろう。残念ながら、KONKONは泉鏡花をちゃんと読んだことはない。青空文庫なんかで読めればいいんだけど、残念なことにau携帯は青空文庫に対応するリーダーがないらしい。とかいってないで文庫買えばいいんだけどね。鏡花だったら切らしている出版社も少ないだろうし。
で、このつながりで、主人公というか話の軸になるのは姫倉麻貴。いつも、遠子をからかってばかりのひとなので、タイトルのおどろとおどろしくも美しく儚いイメージとはそぐわないんだよね。どうなるのかと思いつつ読み進んだんだけど、こうまとめたか。あんまりタイトルどおりとはいっていないような気もするけど。まあ、麻貴もいろいろかかえてたんだねえ。

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小河正岳「ウェスタディアの双星 4 うら若き女王争乱に立つの章」

うーん、どうなんだろ、これ。ウェスタディア側の登場人物がみんな無能に見える。仇敵ピサーニ登場の回ってことで、ピサーニが強敵なんだよー、ってことを表したかっただけなのかもしれないけど、ああいう状況で即位して、コルネリオ王子にちゃんとした監視が付いていないなんて、ありえない。敵対する諸侯の艦船の動きがわかってないってのもお粗末だと思うし、内乱を避けるためといって反乱軍に加わってしまうテオドーロの政治的センスもどうかと思う。「お留守バンシー」の作者だからということで読み始めたシリーズだが、ここにきて作家としての資質がこういう大きい話には向いていないことが見えてきてしまったようだ。しばらく力を蓄えるための時間があればいいかもしれないけど、ライトノベルのレーベルで出しているから無理だろうなあ。

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支倉凍砂「狼と香辛料 X」

あいかわらずおもしろいんだけど、ホロとロレンスの間のやりとりはちっょと飽きてきたかなあ。あまり進展させられないっていうしばりがあるのでしかたがないところかもしれないけど。今回はゲストメンバーの商人ピアスキーと、羊飼いハスキンズの存在が大きい。テーマは故郷、といったところか。ホロが故郷を追い求めているという大前提を忘れがちな一読者にしてみると、なんか唐突だなあと思ったりもした。読み方が浅いといわれればそのとおりなんだけど、旅そのものが楽しいすぎるんだよね。当人たちもそれどころでない目にばかり遭っているはずなんだけど、きっと楽しんでいるはず。
気になるのは、ビアスキーの属する経済同盟ルウイック。この先、話に絡んでくるんだろうなあ。世界最強なんてぶち上げちっゃたくらいだから。

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2008年回顧ライトノベル編

よく見ている本屋さんのサイト、まんが王倶楽部に「まんが王倶楽部的このライトノベルがすごかった2008」ってのが載っていたので、マネをしてみたくなった。残念ながら、いろいろ読み切れていないシリーズも多い。特に「文学少女」シリーズを読み終えてないってのは、2008年というくくりでは大きな欠落といわざるをえないが、まあ、個人のやることなのであまり気にしないが吉。
順位つけるのも面倒なので、ここに感想を上げたものを年の初めから追っていって、気になったものを挙げてみる。あくまで「気になったもの」であって「お勧め」じゃないので注意。
と、書き始めたら、書くものが増えすぎて収拾がつかなくなってしまった。ここはもう、しぼりにしぼって5シリーズだけ。
読み切ってないのものの挙げずにはおられないのが「文学少女」シリーズ。いろいろといいところはあるけれど、あえていおう。遠子さんの語りが素晴らしい。
「マリア様がみてる」も終わった。これはまだ感想を上げてないけど、読み終わっている。なんのことはない卒業式の情景なんだけど、何か心に残るんだよね。いい終わりかただった。
「バカとテストと召喚獣」。これほどバカ話が面白いシリーズもない。
バカ話といえば「ベン・トー」もバカ話か。こっちは主人公のバカさ加減もさることながら、設定のバカっぽさが素晴らしい。これで毎回しっかり緊迫したバトルシーンがあるんだもんなあ。
「脳Rギュル」。これは2008年、終わったのが惜しいベストワン。って感じ。
「とある飛行士への追憶」。続巻が出たのがある意味心配なほどの完成度。2巻が蛇足になっていないことを祈る。
あれ。6本になってる。しぼりきれてないじゃん。

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寺田とものり「超鋼女セーラ 彼女と僕と五つの約束」

表紙はジョオか。文章で受ける印象より、かなり姉御っぽいな。頬の丁字あざがなければ、誰だろうって悩むところだった。中身もジョオがらみの話がわりとある。とはいえ、基本はセーラと茸味とのいちゃいちゃなのはいつものとおり。あとは、サァラがありがちだけどいいキャラに育っていたり、ベッキーはまたなにやら企んでいたりで、一応話は進んでいってるんだけど、なんかひとつ印象に残らないってところがあるんだよな、このシリーズ。

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松智洋「迷い猫オーバーラン! 2」

えーと、もしかすると表紙は梅ノ森なのかな。一瞬キャラの見分けが付かんかった。ということは、「今回の迷い猫」が表紙になるっていう趣向ってことか。
梅ノ森の迷い猫っぷりは、お金に物をいわせるタイプなのだけれど、方向性がわかりやすくてかわいらしい。少なくとも文乃みたいに暴力ふるってくるよりは、こっちのほうがいいなあ。お金の使い方にいろいろと問題があるとは思うけれど、それよりも不可解なのがストレイキャッツの面々。オーナーが店放ったらかしにして飛んで回ってるんだから、なにもそんなに固執しなくってもいいのに。ここらへんに共感させるように書いてくれないと、「お金持ちの道楽」対「貧乏人の道楽」みたいな話にしか思えない。この巻の最大の被害者は、パティスリー梅ノ森のひとたちだよなあ。こんな道楽に付き合わされて、お店開いて、せっかく作ったケーキを意味もなく投げ売りされて。職人さんが泣いてるよ。

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鈴木大輔「おあいにくさま二ノ宮くん 7」

シリーズ最終巻となる短編集。いつも思うんだけど、本編終了後の短編集ってむりやり哀惜の情をわかされているみたいな気になって落ち着かない。やると決まっているアンコールみたいなもんなんだろうなあ。
さて、今回の短編集はいつものように本編とはあまり関係がない5本の短編と、本編の続きみたいな前後編の短編とからなる。
本編とはあまり関係がないほうのうち、「真由、罠におちるのこと」と「真由、席を立たないのこと」あたりは、もしかするとすごく初期の頃のネタから引っ張ってきたのかもしれない。もともとの設定からすると、こういう話のほうがありそうだもん。「真由、また追われるのこと」は短編集で活躍しきれなかったふたりのお話。きっと、作者的には自キャラに対するお詫びの気持ちもあったりするんじゃないかなあ。
本編の続きのほうは、本編のエンディングがお気に召さなかったひとには、やっぱり不評だろうなあ。作品の出来としてもいまいち感がぬぐえないし。このシリーズのラストのストーリとしてはこれでいいと思うけど、もう少し丁寧に書いて欲しかった。

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葵せきな「生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録4」

エピローグとかで、何か裏でストーリがあるような思わせぶりな挿話を毎回書いているけど、これって本当に意味があるのかなあ。ずーっと、ちらちらと出てきて、実はマクロス7の花束少女みたいな位置付けでした、ってなったらそれはそれで楽しいんだけどな。
それはともかく、今回も話らしい話もなくうだうだと進む。いや、進んじゃいないか。一応、椎名姉妹の転校話なんてのもあったけど、まさかこの流れで本当に転校しちゃうと思えないし。そういうのひっくるめていつもどおり。なんか、えろげの日常パートで、登場人物どうしの掛け合いを見てるみたいでなごむー。えろげに限らずキャラゲーって結局、ストーリとかなんかより日常パートの楽しさが、ゲームそのものの楽しさとほとんど同じなんだよな。いや、最近本当に日常パートしか読まずに、エッチシーンとかになるとすっ飛ばすようになっちゃったもん。そういう意味で、このシリーズって、えろげから必要な部分だけ抜き出しました、って感じでお得なんだよな。そのうち飽きるかもしれないけど、しばらくはこんな感じで続けて欲しい。

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西野かつみ「かのこん11 ~ちずるメリーゴーラウンド!~」

なんかこれって終わったんじゃなかったっけ、と真剣に考え込んでしまった。何か大きな戦いが決着が付いて、ちずるや耕太の正体もわかって。ああ、でもあれで終わりじゃなかったんだね。まあ、ストーリ追ってるより、あほらしいシチュエーションを楽しむのが目的みたいなシリーズなんで、このまま続いていっても別にどうってこともないんだけど。
そんなこんなで物語のクライマックスを越え、今回は中休み的なお話。あの戦いの後、ちずるが耕太を意識しすぎて、以前のようにべたべた出来なくなってしまった。さあ、どうしよう。というお話。初心に帰って、ばかばかしいシチュエーションが溢れている。ああ、またこういう話に付き合うのね。と思いつつ、読み続けてしまうんだろうなあ。

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アサウラ「ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円」

産地偽装を疑ってしまいそうになるサブタイトルだなあ。このシリーズ読んでいると一番印象に残るのが、スーパーの弁当を勝ち取ったあとの食事シーンで、口の中に唾液がわいてきそうなほどうまそうなんだよね。普通にスーパーで弁当買ってもうまいとおもったことがないから、きっとあれは別世界の話か、それとも狼だけの特権なのかどちらかなんだろう。
今回の話は、表紙にもなっている新キャラ沢桔姉妹。名前の付け方から判断すると、ちゃんと花の名前になっている姉、梗のほうがメインキャラなんだろうなあ。どーでもいいんだけど、梗のしゃべりかたで「~してくださいましね」ってのがあって、だれかほかのキャラを思い出すんだけどなんだっけ。って、丸一日くらい考えていた。気が付いてみれば、なんのことはない。北条麗華さまだった。
沢桔姉妹を巡る狼同士の死闘と連帯みたいな話が本筋で、それとは別にサブストーリみたいな感じで槍水先輩や著莪とのからみもあって、こっちはラブコメ度微妙に上昇中。こっちの話がどう進むかってのも見物になってきた。

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木村心一「これはゾンビですか? 1 はい、魔装少女です」

ファンタジア大賞っていうんでどんなもんかと買ってみたんだけど、よくみたら佳作受賞作って書いてあった。入選じゃないのね。でもまあ、佳作なんだしそんなにひどいもんでもなかろうと思ったら、なんかつまらないのな。主人公がゾンビっていう設定は、「灼眼のシャナ」とか「3×3アイズ」の流れをくんでいるだけで、とりたてて目新しいものでもない。先の2作はトーチとか无という設定でくるんであったけど、こっちはただむき出しにして、ゾンビ、だもんなあ。その上、ゾンビものの話ってこのところ世の中にはびこってるから、さらに新鮮味が削がれる。そんなこたぁ、タイトル見りゃあわかるだろ、っていわれればまったくもってそのとおり。表紙の魔装少女に目を曇らされていたんだろうなあ。

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田中ロミオ「人類は衰退しました 2」

1巻はどちらかというと妖精さんで遊んでるような感じだったんだけど、2巻は完全に遊ばれてるな。妖精さんにとってみれば、とりたてて遊んでるつもりじゃなくて、いつもどおりに暮らしているところに、たまたま巻き込まれやすい人間が紛れ込んできたなあ、って感じかもしれないけれけど。
それにしてもこのお話、どっちに向いて走っていっているのか、さっぱりわからん。筋があるようでないような。このまま、妖精さんをいじったりいじられたりしつつ、だらだら続けていってもそれはそれでおもしろそうな気がするから困る。今、4巻まで出てるみたいだけど、どうなってるんだろ。

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水瀬葉月「C3 -シーキューブ- V」

このシリーズに関してはフィアがかわいければいいや、みたいなスタンスになってしまった。堕落したなあ。いや、キャラだけでなくてお話も面白いんだけどね。
この巻のメインは、いんちょーさんこと上野錐霞。文化祭まっさかりの大秋高校に、錐霞の兄である研究室長国室長、闇曲拍明が現れる。そして、錐霞に「激しい寂寥感に襲われる」呪いの首輪をはめた上で、「ゲーム」をしようと持ちかける。一方、文化祭の喧噪に紛れて、闇曲拍明を追う「ビブオーリオ家族会」の生き残りと、春亮を追う二階堂クルリもやってきた。みつどもえよつどもえの戦いになるのか。
といった背景で、「寂寥感」に襲われたいんちょーさんが、春亮の服の裾をぎゅっとつかんじゃうあたりが萌えどころのはずなんだが、場面が変わってフィアがでてくるとそんなシーンのことなんかすっかり飛んでしまうから困る。キャラが立ちすぎるってのも困りもんだなあ。

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伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 2」

前の巻もそうなんだけど、お兄ちゃんがんばった、としかいいようのない話だなあ。毎度毎度あんな仕打ちを受けていて、よく妹のために何かしようなんて思うもんだ。本人がどう思っていようと、これはシスコン認定するしかあるまい。しかもマゾ。
あ、そういえば、作者自身があとがきで書いているとおり、2巻が出るなんてあまり思っていなかった。ライトノベルってのは、好評だと何でもシリーズ化しちゃうんだな。その賛否はともかくとして、前の巻で惜しいなあと思ったのが沙織さん。というか、沙織殿とでも呼びたい感じの彼女。いいキャラしてんのに、1巻だけじゃもったいないと思ったものだった。このひとの出番が増えたのは、うれしいかも。

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大西科学「晴れた空にくじら 2 戦空の魔女」

単発で終わるのかと思ったら、シリーズ化されたようでなにより。
ようやく日本に帰り着いたと思ったら、鯨軍に組み入れられてしまった雪平たちが、今度は追われる立場ではなく戦う相手としてロシアの軍鯨と渡り合う話。と書けば、多少は格好が付くが、実際のところはやっぱり逃げる。なにしろ、敵はちゃんとした巡鯨なのにこちらは「峰越」にちょっとした武装を施しただけの「特設鳥雷鯱」でしかない。相手に目を付けられたら、それはもう逃げるしかない。事態はいつでも逼迫しているはずなのに、雪平の茫洋とした性格のせいで、どことなくユーモラスな話に仕上がってしまうのがいい。クニとの関係も進みそうで進まない。こっちももどかしいという感じよりも、単純に雪平の外しっぷりが楽しい。
軍属になったということでこの先は重い話も出てきそうだけど、この話がどんな決着を見せるのか、まったく想像がつかない。期待して次巻を待とう。

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月見草平「姫宮さんの中の人 4」

幼なじみの結衣に告白されて返答を保留したままの純人だが、結衣はその保留の原因を取り除こうと、「中の人」のトレーニングに参加しようとする。純人はそれに快諾するが、ちとせはその態度を曲解して、仲違いをしてしまう。というような感じで、ラブコメ色が強くなっているような感じ。そのせいか、「外の人」がこれまでよりも魅力的に思える。
その一方で浦乃と文化祭を回っていたりするので、純人も罪作りなヤツである。文化祭をまわっている途中で浦乃のボス、ダウリング神父なんてのが出てきて、こっちはこっちでこの先、話が進みそうな気配。

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わかつきひかる「AKUMAで少女 ~悪魔の国のお姫様~」

男女入れ替わりモノとして始まったこのシリーズも4冊目。真っ当なストーリがあったわけではないけれど、この巻が最終巻らしい。このところは入れ替わりをやめちゃって、僚が女の子になってエッチな目に遭うような話ばかりになっている。今回も、まあそういう話。話の筋としては、ゆり絵が生と死の狭間の世界にとらわれてしまって、それを助けるには女の子の生体エネルギーを集めなければならない。そのためには女の子になった方がいいよね。ってわけだけど、もちろん僚を女の子にするためのストーリ作りなんだろうなあ。それはそれとして、生と死の狭間の世界を表す用語に道又なんていう言葉が出てきている。そんな用語は初めて知った。ここは中有とでもいったほうが通りがいいんじゃないか。いや、きっと中有もマイナーな言葉なんだろうなあ
で、いろいろあって、おしまい。われながら、すごい省略のしかただな。
シリーズ通しての感想を書いておくと、エロいほうに話を振り過ぎっていう感はあるものの、意外とすっきりしたストーリで読後感もよかった。主人公とゆり絵との関係がぶれないっていうのがいいんだろう。あまりお勧めとかそういうのではないものの、これで時間をつぶすのも悪くない。

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築地俊彦「けんぷファー 4」

雫がいよいよ楓の調査を始める。当然のようにナツルはそれに巻き込まれ、さらにそれを知った紅音から横やりが入って、なぜか3人で楓の家に遊びに行くことに。っていうのがメインのストーリで、それにからんでくるのが新たなるけんぷファーの襲撃の話。このけんぷファーがだれかってのは、だいたい見当が付いていた。というか必然的に彼女しかいないわなあと思っていたので、特に驚きはないんだけど、逆に問題なのが彼女が他のけんぷファーの素顔を知らないこと。雫と紅音はまだいいとして、ナツルはヤバいだろう。
と、それはともかくとして、この主人公はどーにかならんのかねえ。一人称小説の主人公として、ここまで読者をいらつかせるのっていないんじゃないか。といいつつ、5巻も購入済みだったりするわけだが。

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白瀬修「おと×まほ 4」

この巻はバトルなしの中休み的なお話。短編が3本と、おまけ掌編が3本。このなかで読みどころは、なんといっても「温泉旅行へ行きましょう♪」。此方が「魔法少女慰安旅行」を思いついて、山奥の温泉に出かけるという話で、ライトノベル恒例の覗きの話もある。もちろんこの面子なら、覗かれるのは彼方に決まってる。女の子が覗かれたのに気付いたら暴力沙汰になっておしまいだけど、彼方がモエル以外に暴力をふるうわけもなく、そのまま混浴に突入してしまうのであった。ああ、でもあまりうらやましくないのは何故だろう。
「甘いお菓子が食べたいわ♪」の明日野丈と古伊万里みさらの話もよかった。丈が彼方に告白するシーンなんか、異常にテンション高いし。

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杉井光「さよならピアノソナタ 4」

なぜかはわからんけど、てっきり3巻で終わったものと思い込んでいたので、4巻が出ていたのにびっくりした。なんか蛇足みたいなものじゃないかなあと思ったら、ちゃんとした続きだった。なんで3巻で終わりだと思ったんだろう。
4巻は本当に最終巻。きれいな終わり方をしている。このくらいのボリュームでちゃんと話を終われる作者ってのは、ライトノベルでは珍しいんじゃないかな。逆に、土壇場じゃなきゃ動かない主人公ってのはありきたりなんだけど、こっちは意外と嫌悪感を感じないっていう点で珍しい。へたれで鈍感だけど、気持ちがずっと真冬のほうを向いているのがわかるからなんだろうなあ。キャラ的には真冬よりも神楽坂先輩のほうが好きだったけど、まあ、それはそれとして。
あと、哲朗のダメっぷりがよかった。ああいう、ダメ中年になりたい。

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竹岡葉月「SH@PPLE -しゃっぷる- 4」

人力リバーフェスタで劇を上演するまでのあれこれ。何故か肝試し的イベントまで発生しちゃってるけど、それがあまりラブコメ展開を引き起こさないのがこの作品らしさかな。なんかこのシリーズって、変な設定のわりには、話がわりとまともな方向にいくんだよね。方向があってるだけで、その先でやってることはまた変だったりはするんだけど。変な設定の上でまともなことやってたら、望むエンディングは見られるのだろうかねえ、雪国くん。とか思ってしまうわけだ。今のところ、望みは薄そうだ。
と、ここまで書いてアップしてから思い出した。ちゃんとラブコメ展開もあった。古葉さんと雪国が買い物に行くくだり。忘れていていうのもなんだけど、あれはよかった。特に一駿河密の外しっぷりが。

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藍上陸「アキカン! 7缶めっ」

表紙はぶど子。死んだはずなんだけど、何故か復活。そもそも、なんでアキカンがガーリッシュするのかが説明されていないんだから、何が起きても不思議はないわなあと納得しようとしたものの、やっぱりなんか納得いかない。ストーリ作りの手法として、それは販促だろうという気がする。おっと、妙にしっくりくる誤変換かましてくれたなあ、ATOK。もちろん正解は反則。いってみれば陸奥九十九が実はだーれも殺してませんでした、みたいな話だし。
おおまかな枠組みは気に入らなかったけど、部分部分ではあいかわらずおもしろい。特に掛布の物真似。状況考えれば、そりゃないだろうっていう気もするけど、メロンのバカっぽさが見られるとほっとする。メロンといえば、帯に載ってるアニメのメロンは、ちょっとないだろ。たまたま変な絵載っけちゃったのかなあと思って、公式見たらおんなじだったという。まあ、どうせ見ないからいいんだけどさ。

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阿智太郎「魔界ヨメ! 第2巻 コウモリ娘の血族」

この巻もくだらなさ全開。特に第1話の夫婦漫才から「アスモデウスの邪扇」に続く流れが見事。次はこう来るだろうなあと想像していたとおりに話が転がっていく。先が読めておもしろくないといわれてしまいそうだが、この作者の場合は不思議とそういうふうには感じない。読んでいる方の感覚としては、贔屓のプロレスラーが得意技をつないでフィニッシュの大技にもっていく流れを見ているのに近い。いいぞー、やれやれー、って。
第2話が魔界コウモリ娘の話で、第3話が園山花海の話。一応、1話ずつの割り当てになってるけど、魔界コウモリ娘も園山花海もいまひとつキャラが弱いんだよねえ。魔界ヨメが強すぎってのもあるかもしれないけど。3巻以降でここらへんをどうするかが腕の見せ所。

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竹宮ゆゆこ「とらドラ9!」

雪山で大河の本当の気持ちを知ってしまった竜児だが、当の大河は意識が朦朧としていたため記憶がないらしい。というか、北村相手にしゃべっていたようなつもりになっている。小心者の竜児とすれば、これからどうやって大河と接すればいいんだ~、と悩んでしまうのはしかたがないわなあ。というようなところで、この巻は始まる。竜児の結論は、「聞かなかったことにしよう」というもの。しばらく休んでいた大河が学校に出て来て、何もなかったように元の生活が取り戻せるかと思ったものの、そんなものが長続きするわけもなく。竜児の進路問題もからんで、さらに話はこじれて、怒濤の急展開へ。いよいよエンディングも近付いたって感じ。次の巻が楽しみ。

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榊一郎「神曲奏界ポリフォニカ エイディング・クリムゾン」

この物語の前半に当たる「ジェラス・クリムゾン」はわりとラブコミ系のバカ話も混じっていたが、本編はほとんど全部がシリアス展開。リュネアがどうして精霊を憎むのか、リュネアに付きまとう馬型の精霊は何者なのか、といったところが語られていく。一方、ホライズンに対する精霊の攻撃はいったん収まったかに見えたが、精霊達の怒りは収まっておらず、また、テロリストも次の行動を起こそうとしている。そんな中、人間たちの精霊に対する不信が爆発し、ホライズン内はいたたまれない雰囲気になってしまう。と、まあ、このシリーズで当たり前のように付き合っていた精霊と人間の関係を、ここらで問い直してみようといった感じの話になっている。試みとしては悪くないかもしれないけど、お話としてはあまりおもしろくなかったかも。

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神野オキナ「ぷりんせす・そーど2 戦うサツキとヴァルキリー」

国交決闘っていう設定を用意したんだから、しばらくはその流れでやってくんだろうなあと思ったら、いきなりの展開になって驚いた。起承転結の「承」がなくって、いきなり「転」になっちゃったって感じ。それから、ぬいぐるみ大好きタシアナちゃん。このひとはそのうち味方に付いてくれるんだろうなあとは思っていたけど、こうくるとはなあ。タイトルにあるヴァルキリーも登場したときだけ格好よくって、ちょっと違和感があるくらいだったけど、その後のへたれっぷりはもう、いったいどうしたもんかっていうレベルだし。この作者、いろいろと楽しませてくれるなあ。他のシリーズにも手を出してみようかしらん。

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成田良悟「5656! Knights' Strange Night」

越佐大橋シリーズの何冊目だったかな、これ。このひとの著作の場合、そんなのはどーでもいいや、っていう気にさせられちゃうことも多いけど。シリーズごとに別の舞台と別の登場人物がいて、いつものように暴れたり暴れられたりしているだけなんだもんなあ。それで読んでるほうを飽きさせないからたいしたもんだ。
今回は、西地区のイーリーの妹、リーレイがメインの話。可愛いモノ好きで、かわいいと感じたらすぐに抱きついちゃうとか、ことばが少し遅れているとか、昼寝ばかりしているとか、平和そうな属性が目立つれど、この作者のキャラクターなんだからそれだけで終わるわけもなく。と、まあそんな話だったのだが、あとがき読んだら短編集って書いてあるし、えーっ、と思って帯みたら外伝って書いてあるし。いやー、本編とどこが違うのかよくわかんなかったよ。

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末永外徒「108年目の初恋。」

主人公は建てられてから100年を過ぎた校舎。年を経て付喪神になったのはいいが、ある事件がきっかけとなって、使われなくなってしまう。そうして「旧校舎」になってしまった校舎を探検しに来た生徒と出会い、初めての恋をする。とまあ、あらすじをさらっと書いただけで照れちゃうよ。なーんかもう、かわいらしい話だなあ。
ウィッカとして校舎を調査しているリアンとか、古い建物というか新しく生まれた付喪神を守ろうとしている付喪神の先達とか、サブキャラクターもいい味出してる。いいな、これ。

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有沢まみず「いぬかみっ! EX わんわん!!」

「いぬかみっ!」シリーズもこれでいよいよ最後。前のEXはがちゃがちゃ詰め込んだおもちゃ箱みたいな感じだったが、この巻は本編の後日譚というか本当の最終巻というか、そんな色彩が濃い。
大きな話としては、川平の宗家が引退するってことで、その跡目を啓太が継ぐのか薫が継ぐのかっていう話で、それはそれで気になる話ではあるのだが、それよりもっと単純におなじみのキャラクターがまた出てきてくれていることのほうがうれしい。なかでもたゆねが酔っぱらって。正確にはいまりとさよかに自白剤入りの酒を飲まされて、本音を語るシーンなんてのはにやにやせずにはいられない。あと、このシリーズでは忘れてはいけない変態さんたちもしっかり登場している。こうやって、ひとつの話にキャラクターが揃うと壮観だ。それぞれのキャラクターが活躍した話も思い出されて、さすがに14巻続いたのは伊達じゃねえな、っていう気がする。実はこのシリーズをあまり評価してなかったんだけど、この巻でグッと評価が上がった。いい最終巻だった。
あっと、それから。イラストはちょっと絵柄が変わって、古い少女マンガっぽさが抜けた。ライトノベルのイラストとしては今の絵柄の方がいいと思うけど、寂しいような気がしないでもない。

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黒川実「オオカミは懐かない!? 4」

「最終回じゃないぞ。もうちょっとだけ続くんじゃ。」とあとがきに書いてあるくらい、最終回っぽい話だった。これでこの先の話が多少おもしろくなるんじゃないかっていう気がする。
この巻のネタとしては、宵ノ守学園の学園祭で、ヒナと主人公が劇の主役を務めることになり、その練習と称して勇太がヒナに対して横柄に振る舞うってのがある。書きようによってはおもしろくなりそうなネタなのに、あまりおもしろくない。このシリーズではヒナと勇太が交互に語り手をするっていう構成になっているから、それも原因のひとつかもしれない。この作者の文章だと、語り手はキャラが立ちにくいんじゃないかな。

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木村航「ミラクルチロル44キロ Aパート・チロルアレンジ」

「ぺとぺとさん」のひとだ、ってことで買ってしまったが、あまりああいうのんびりしたテイストはない。失敗したかなあと思って読み続けたが、まあ、これはこれでいいんじゃないかという気になった。ものすごくいいかげんなまとめかたをしちゃうと、恋人を喪った男と出会った少女が家族を失うお話。ということで、テーマはわりと重い。ライトノベル的に謎の組織なのか天使なのか悪魔なのかわからないようなやつらがからんでくるけれど、そのなかのトリックスター的なキャラが割と気に入った。Bパートに続くってことで、喪失のあとは再生の物語になるのか、まあ何かを失い直すのか。
話は変わって、木村航って、茗荷屋甚六名義でライアーソフのでシナリオ書いてたんだね。ちっとも知らなかった。今度はTYPE-MOONで一般向けの新作を書いているらしい。これまでのTYPE-MOONは文章がダメ過ぎたので、その新作Girls' Workにはちょっと期待したいところ。

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五十嵐雄策「乃木坂春菜の秘密 9」

いつもどおりがちゃがちゃやってるんだけど、なんというか、印象が薄い。一応、事件らしい事件は起こってるんだけど、読んでいてもそれがするっと表面だけなぞって抜けてっちゃうような感じ。KONKONのツボであるはずの、報われないサブヒロインの話もあるのになあ。どうしてこんなに心に残らないんだろう。
春菜のかわいらしさにつられてずるずると読み続けてきたけれど、いつまでもこんなふうだとそろそろ潮時かもしれん。春菜を見たいってだけだったら、コミック版っていう手もあるし。ていうか、すでに購読済みだわ。

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井上堅二「バカとテストと召喚獣 5」

明久の姉さんが登場。何かとスペックが高そうなひとなのであるが、困ったことに「アキくん」大好き。明久の暮らしぶりが一定の水準に達していなければ、ひとり暮らしをやめさせられてしまうのだが、そのチェックの厳しいこと。特に異性関係。チェックは減点法で、減点された分はテストで取り返さなければならない。チェックの間だけでもと、生活態度を改める明久だが、それを級友に不審がられないわけもなく、ってな感じで始まるいつものドタバタ。この姉さんのキャラクターが絶妙のバランスで、「えむえむっ!」みたいにやりすぎてギャグ要員になっちゃう手前のところで、しっかり踏みとどまっている。今のポジションだと話にはからませにくいと思うから、学校関係で何か手を打ってくんじゃないのかな。

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今野緒雪「マリア様がみてる 卒業前小景」

卒業式前日のリリアン女学園の様子が描かれる。このシリーズの読者なら、もっとも気になるのは祥子のへたれっぷりが発揮されるかどうかってとこだろうけど、それは最後のお楽しみ。最初は一般の生徒の話から入って、次は新聞部の姉妹や、写真部の先輩方と蔦子そんのお話、みたいにだんだんとレギュラー陣まわりの話へと進めていき、そしていよいよっていう段取りだ。
この巻のラストあたりはとりあえず伏せておくが、次の巻は先代薔薇さまが勢揃いしそうな雰囲気。ということは、由乃と江利子の対決もみられるのかな。そっちも楽しみだ。

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比嘉智康「ギャルゴ!!!!!4 地獄天国直通大全」

いよいよ噂長との直接対決が迫る、ってとこなんだけど、そもそも噂長の正体はわからないままなのだった。というわけで、この巻は噂長の正体を探る話。前の巻ぐらいからハナっていう女の子が出てきて、わりとあからさまに怪しい。読者にそう思わせているくらいだから、ギャルゴたちもハナが噂長じゃないかと疑い始めるんだけど。この流れで本当にハナが噂長だったら逆にびっくりだわな。このあたりは、基本を忠実に押さえたストーリ運びだなあと感心しておくことにしておこう。ラスト近くで明かされる噂長の正体には、たしかにびっくりしたけど、ネガティブサプライズに近いかなあ。次の巻あたりで、もう少し因縁話でも書いてくれないと、ちょっと不満。

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田中ロミオ「人類は衰退しました」

人類が衰退していき旧人類となり、かわりに"妖精さん"が人類として新しい地球の主に収まった、そんな未来のお話。なんとなく「ヨコハマ買い出し紀行」あたりを思い出させる設定である。なんか、ゆるやかに終末を迎えるような話って気持ちいいのが多いような気がするけど、これものほほんとした空気に包まれてるような終末の情景が楽しい。主人公は、人類最後の学校の卒業生で、人類と"妖精さん"との間を取り持つ新米"調停官"。相手の"妖精さん"は人類には理解できないような魔法のようなテクノロジーを持ってはいるものの、基本的には好奇心だけで動いているようなひとたち。調停官としてはいかに妖精さんの好奇心を刺激して気をひくかが腕の見せ所。というわけで、妖精さん相手にあれこれいらんことを仕掛け、それに妖精さんが反応して巻き起こすどたばたがおもしろい。妖精さんの話し言葉も独特で、通勤電車の中でついくすりとしてしまうことも。危ない危ない。

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中里十「どろほうの名人」

今の日本とはどこかがずれた別の日本でのお話。時代も今よりは少し過去っぽい。そんな少しずれた世界を舞台にして、その上で繰り広げられるストーリも何かずれている。百合モノっていうこと自体をずれているといっているわけじゃなくて、その枠の中にはめようとすると、何か違うんだよなあ。もしかすると、現実から少しずらしているのは世界設定だけではなくて、人類という種そのものの設定も少しずらしているのかもしれない。ストーリも表面上は平易だけど、なんか裏がありそうな気がする。なんかしらんけど、これ、深読みを誘われるようなところがあるんだよね。そういうの気にして読み込むひとなら、別の意味で楽しいんじゃないかと思う。

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