肥前文俊「青雲を駆ける 1」
異世界に飛ばされてしまった野鍛冶のお話。
タイトルからすると、立身出世しそうに思えるのだが、現時点ではいたって無欲でひとのために鍛冶仕事をするのが生きがい、みたいな善良な村人風の話になっている。異世界パートでは、主人公が炉を作ったり鉄を精製するところから始めるもんだから、野鍛冶ってこんなになんでもやっちゃうんだという驚きに打たれた。現実の野鍛冶はどうなんだろうという保留付きだけど。異世界に飛ばされる前の話は、いかにも職人といった風情の父とのやりとりが描かれていて、こっちのほうがなんだかジンとくる。よくある異世界モノは、異世界ら飛ばされる前はろくでもない暮らしをしていることが多いけれど、このシリーズでは異世界に飛ばされなくっても幸せに過ごせたんだろうなあと思えて、それでもなお異世界での暮らしを大切に思う主人公の心根が気持ちいい。
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