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水玉螢之丞「SFまで10000光年」

一昨年亡くなった「いさましいちびのイラストレーター」水玉螢之丞がSFマガジンでやっていた同名の連載を一冊にまとめたもの。1993年1月号から2002年12月号までの分が収められている。SFマガジンを購読していた頃なので、なんとなく覚えてるんじゃないかなあと思って読み始めたのだが、びっくりするくらい何も覚えていなかった。あの頃はSFマガジンで一番楽しみにしていた連載だったはずなのに、月日の流れというものはこんなものなのだなあ。だって、20年以上前から始まった連載だよ。もうひとつ驚いたのが、ひどく読みづらいこと。SFマガジンの中ではリータービリティが高い方だと思っていたのになあ。目が悪くなったったせいで、あの手書き文字が読みづらくなったってのを差し引いて考えても、不思議である。ラノベばかり読んでいて、読む力が衰退してしまったのかも。内容は、あの時代を思い起こさせるものがぽろぽろ出てきて懐かしい、ってのもよかったけれど、なんといっても全編にあふれ出ている筆者ならではの視点と、まれに現れる名セリフがいい。「昔アイビー、今ゴシック」なんて、なかなかでてこないよ。

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