大森藤ノ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 9」
主人公が竜人の少女を拾ってしまうところから始まる。竜人といっても亜人ではなく、カテゴリとしてはモンスター。他のモンスターと同じようにダンジョンの壁から産み落とされる。この少女は知性があって、ひととの意思疎通ができるイレギュラーな存在であるというような描きかたになっているので、純粋なモンスターとしてのとしての竜人ってのもいるんだろう。
ともかく、知性があるといってもモンスターはモンスター。オラトリオでそんなものを匿っていると知れたら、ただではすまない。どうにかなるさというレベルの話ではないのだが、そのあたりのことはちゃんと考えないのが、この主人公の美点なんだろうなあ。これまでは、強い敵を倒してさえいればお話として成立していたのだが、ここにきて悩んだり迷ったりしなければ進まない話になってきたようだ。このシリーズ特有の爽快感は薄れてしまうけれど、その先に何を描き出してくれるのか、まずは期待しておこう。
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