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成田良悟「デュラララ!!SH ×3」

「SH」は蛇足という印象はまだぬぐえないが、それでも「Fate/strange Fake 1」とくらべればおもしろいと思う。今回はゾンビアニメを模倣した通り魔があらわれて、それがどういうわけか拡散して同時多発的な様相を見せてくる。その通り魔に、このシリーズの面々がそれぞれに関わりを持ってしまい、というお話。いかにもこの作者らしい群像劇になっていて、安定して楽しめる。この安定感は、もうそろそろ伝統芸といってしまってもいいんじゃないかという気さえしてくる。今回は、その中でも法螺田がいい味出してる。使い捨てのチンピラとばかり思っていたんだけど、もしかすると、作者に気に入られてるのかも。一方、主人公格であったはずの久音はずいぶんと影が薄くなってしまったように思う。この巻でも黒幕的というか折原臨也的なことをやろうとはしているんだけど、八尋の相方としてはちょっと弱い感じがする。ラストで少しだけ出てきたキャラは、そのあたりへのてこ入れなんだろうか。

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