砂義出雲「天網炎上カグツチ 2」
短編集っていうわけじゃないけど、相互にあまり関連性のなさそうなお話が三本収められている。そのうちのひとつは、表紙イラストにもなっているロシアのフィギュアスケーター、リサーが来日するお話。彼女は過去に自分の写真をネット上に拡散され、それにたいする怒りが動力源となっているインフレームの装着者である。対するはリベンジポルノの被害者となったことでWWRからスカウトされインターネット壊滅を志すようになった女、リベポルンナ。同じような境遇の敵にリサーは共鳴してしまい、戦意をなくしてしまう。というようなお話で、主人公とリサーに何らかの接点が会ったらしいことが描かれてはいるものの、リサーを立ち直らせるような何かがあったのかといわれると、描ききれていないなあとしかいえない。どうもこのシリーズはテーマ先行で書き込みが足らないように思える。このネタだったら、くどいくらいに「炎上」そのものを描写して、主人公がダメージを喰らいまくる、ってところが見せどころのはずなのになあ。
あ、あと戌井の影がすっかり薄くなってしまったのが気になった。一巻の時点ではメインヒロインっぽポジションだったような憶えなんだけど。
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