時雨沢恵一「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 1 スクワッド・ジャム」

そういうひとはあんまりいないと思うけれど、時雨沢恵一知らずに、「ソードアート・オンライン」シリーズのファンのひとがこれ読んだらがっかりするだろうなあ。設定は「ソードアート・オンライン」シリーズに出てくるVRMMOそのままのはずなんだけど、読んでいると「キノの旅」みたいなんだもんなあ。この作者の作品って「キノの旅」以外を読んだことはたぶんないんだけど、何書いてもこんなふうになっちゃうんだろうか。
しかし、時雨沢恵一だってことをわかった上で読むと、これがおもしろい。銃器に関する知識がほとんどなくっても、何だかそれっぽいものが思い浮かんで、楽しめてしまう。ちゃんと知識があるひとなら、もっと楽しめるんだろうなあ。出てくるキャラクタもいかにもこのひとっぽくて、どこか壊れているような言動をされると、あーこれこれみたいに思えてしまう。ちなみに、あとがきは普通の場所に納まっていて、そこは肩透かしされた気分だった。