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赤石赫々「武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行」

どういう理由かは一切説明されていないけれど、エルフに生まれ変わった老人の話。ちなみにエルフといっても異世界というわけではなく、もともとエルフ、人間、魔族が入り混じって暮らす世界でのお話。異世界転生モノはかなり増えてきているけれど、同じ世界での転生モノって実は珍しいんじゃないだろうか。
さて、その老人だが、前世では人間の武闘家として世界最強を目指していた男。エルフに生まれ変わったことで、人間の数倍以上の寿命を得、これならさらなる武を極めることができるとしか考えられないところなんかはまさしく武闘バカとしかいいようがない。ただ、家族の目をはばかって、修行もままならなかった子供時代のエピソードなんかを見ると、それなりにまわりに気を使えるんだなあということがわかる。その主人公の学生時代を描いたのこの巻ということになる。こっそり修行をしたり、かつてのライバルと拳をかわしたりしつつも、案外普通に学生時代を過ごす主人公だが、その胸中は、となるとどうも孫世代といっしょに過ごしているという感覚になってしまうらしい。このあたりのおじいちゃんっぷりが、ひとつの読みどころである。なんか、ホントいいおじいちゃんなんだよね。ライトノベルのノリだとエロジジイ化しそうなシチュエーションなんだけど、武辺者ということもあってかうまいぐあいに枯れちゃっている。2巻以降も続くみたいだけど、このあたりの枯れたところがどうなるのかなあというところも気になる。

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