伊藤ヒロ「女騎士さん、ジャスコ行こうよ」

タイトル買い。なぜ今さらジャスコかと思ったら、ジャスコっぽいものを指す一般名詞としてのジャスコだった。ゼロックスとかそういうのといっしょで。主人公たちが暮らすド田舎から軽トラで30分とちょいのところにある、大規模ショッピングモールである。
ちなみに女騎士ってのは異世界での侵略から逃げてきたポー姫に付き従う本編のヒロイン、クラウ。言動もそっぽい上に、腕も立つ。いっけんまともな騎士のように見えるが、ポー姫の影響もあっていろいろと残念なことになっている。口癖が「クッ、殺せ」。それ系のえろげで洗脳されてしまったらしい。その上、これは生来のものらしいのだが、たいへん素直であまり世の中のことを疑わない。その上、どうやら惚れっぽいようだ。いわゆるちょろいん、ってヤツだ。前のとあわせれば、クッコロ系ちょろいん、ってことになるのか。でも、まあいい騎士ではある。あんな主にはもったいない。
主人公の住む田舎町はどういうわけかあちこちの世界の亡命政府を抱えており、それらの面々も楽しい。特にアトランティス亡命政府の守護女神であり、主人公のクラスメイトでもある水神ハイドォラさんの設定がよい。こういうひとをあっさり受け入れてご近所づきあいできるなんて、この町のひとは度量が広いなあ。