« 丸戸史明「冴えない彼女の育てかた 6」 | トップページ | 渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9」 »

宮部みゆき「英雄の書(上)(下)」

ちょっとジュブナイル寄りのファンタジィ。主人公が小学五年生の女の子で、子供っぽいところが多々あるわりには、とても思慮深かったり子供らしからぬ知識を持っていたりする。この思慮深さや知識も「印を戴く者」になったがために得たような記述も見られるが、子供っぽさは抜けていないので、主人公像がうまく焦点を結ばなくなってしまっているのが痛い。物語の締めくくりもめでたしめでたしでは終わらない。主人公の「兄を取り戻すんだ」という想いに同調して読み進めてきた読者なら、なんだこれは、っという気持ちになるだろうなあと思う。
「英雄」とか「輪」とかの設定はシンプルだけど奥深い。せっかくいろいろな「領域」があるんだから、シェアワールドでもしていろんなひとに使ってもらえばいいのに。「狼」が主人公の話も読んでみたいものだ。

|

« 丸戸史明「冴えない彼女の育てかた 6」 | トップページ | 渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

☆☆☆☆」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 宮部みゆき「英雄の書(上)(下)」:

« 丸戸史明「冴えない彼女の育てかた 6」 | トップページ | 渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9」 »