宮部みゆき「英雄の書(上)(下)」
ちょっとジュブナイル寄りのファンタジィ。主人公が小学五年生の女の子で、子供っぽいところが多々あるわりには、とても思慮深かったり子供らしからぬ知識を持っていたりする。この思慮深さや知識も「印を戴く者」になったがために得たような記述も見られるが、子供っぽさは抜けていないので、主人公像がうまく焦点を結ばなくなってしまっているのが痛い。物語の締めくくりもめでたしめでたしでは終わらない。主人公の「兄を取り戻すんだ」という想いに同調して読み進めてきた読者なら、なんだこれは、っという気持ちになるだろうなあと思う。
「英雄」とか「輪」とかの設定はシンプルだけど奥深い。せっかくいろいろな「領域」があるんだから、シェアワールドでもしていろんなひとに使ってもらえばいいのに。「狼」が主人公の話も読んでみたいものだ。
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