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海堂尊「ジェネラル・ルージュの凱旋(上)(下)」

作品ごとにミステリだったり、SF寄りだったりと作風が安定しないところがあったのだが、大森望による解説に「メディカル・エンタティメント」と銘打ってあって、あ、それだ、と納得した。アシモフはSFミステリではあるけれど、SFなんだ。海堂尊はメディカルミステリとかメディカルSFとかを書いても、「メディカル・エンタティメント」といってしまうのが正しいだろう。特に「ジェネラル・ルージュの凱旋」は何かのジャンルというよりも「メディカル・エンタティメント」というのがしっくりくる内容で、ミステリっぽさもSFっぽさもない。それでこれまで読んだものよりもおもしろい。借り物のジャンル抜きで書けるようになって、作者もノってきたということかもしれない。
今回は何といっても速水の俺様っぷりが素晴らしい。ライトノベルなんかの俺様キャラと違って、昭和臭がプンプンするのがよい。花房師長の忠勤っぷりもそんな感じ。というか、このシリーズの登場人物って今どきのキャラ作りからずれているのが多いような気がするなあ。姫宮なんて時代にあわせようとして変な方向にいっちゃった感がすごいし。

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