« 2013年4月のお買い物勝ち負け表 | トップページ | 村上春樹「女のいない男たち」 »

川口士「魔弾の王と戦姫 8」

サーシャ最後の戦いとか、ジスタ-ト王をめぐるヴァレンティナの策謀とか、わりと盛りだくさんな内容だったとは思うけれど、どうにも物足らない。やっぱりこのシリーズはティグルでもっていたんだなあと再認識した。
特に残念だなあと思ったのが、前半の山場であるはずの海戦の描写が退屈なところ。この作者にとっては苦手な分野なんだろうなあと思うしかない。サーシャももう少し他の舞台で戦わせてあげればよかったのに。
後半は現ジスタ-ト王が思ったよりもまともそうなのが意外だった。これまではほぼエレン視点でしか見ていなかったから愚王のイメージが強かったけれど、実のところ凡庸レベルより上らしい。特にユージェンを買っているあたり。ところがそこをヴァレンティナに付け込まれてしまう。こうなると戦姫を恐れていたのも何かの予感があってのことだったのかも、とか思ってしまう。
ともあれ、この巻は話を広げるための土台作りといた感じだったので、次の巻以降を期待したい。もちろん、ティグルの復活も。

|

« 2013年4月のお買い物勝ち負け表 | トップページ | 村上春樹「女のいない男たち」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

☆☆☆☆」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 川口士「魔弾の王と戦姫 8」:

« 2013年4月のお買い物勝ち負け表 | トップページ | 村上春樹「女のいない男たち」 »