川口士「魔弾の王と戦姫 8」
サーシャ最後の戦いとか、ジスタ-ト王をめぐるヴァレンティナの策謀とか、わりと盛りだくさんな内容だったとは思うけれど、どうにも物足らない。やっぱりこのシリーズはティグルでもっていたんだなあと再認識した。
特に残念だなあと思ったのが、前半の山場であるはずの海戦の描写が退屈なところ。この作者にとっては苦手な分野なんだろうなあと思うしかない。サーシャももう少し他の舞台で戦わせてあげればよかったのに。
後半は現ジスタ-ト王が思ったよりもまともそうなのが意外だった。これまではほぼエレン視点でしか見ていなかったから愚王のイメージが強かったけれど、実のところ凡庸レベルより上らしい。特にユージェンを買っているあたり。ところがそこをヴァレンティナに付け込まれてしまう。こうなると戦姫を恐れていたのも何かの予感があってのことだったのかも、とか思ってしまう。
ともあれ、この巻は話を広げるための土台作りといた感じだったので、次の巻以降を期待したい。もちろん、ティグルの復活も。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 豊田有恒さんが亡くなった(2023.12.06)
- デューンって再映画化してるのか(2021.02.13)
- キミラノで時間をつぶす(2020.05.11)
- キミラノ(2020.03.30)
- 志瑞祐「精霊使いの剣舞 19 聖都消滅」(2019.12.22)
「☆☆☆☆」カテゴリの記事
- はたらく細胞!!(2024.10.29)
- 五等分の花嫁∬(2024.10.21)
- 約束のネバーランド Season2(2024.10.12)
- Re:ゼロから始める異世界生活 2nd seasonの後半(2024.10.08)
- はたらく細胞(2024.09.27)
コメント