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石川博品「ヴァンパイア・サマータイム」

「クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門」の石川博品作品ってことで買ってみたのだが、あれとはまったく毛色の違うごく普通のラブストーリだった。吸血鬼との恋愛なのに、ごく普通はないだろうといわれそうだが、普通なんだから仕方がない。だいたい吸血鬼っていったって不老不死だったり特別な力を持っているわけでもない。人口の半分が昼間には活動できない「吸血鬼」と呼ばれる存在に置き換わってしまった世界を描いているだけの話である。うがった見方をすれば、この「吸血鬼」ということばそのものが通称で、実はなんとなかんとか症候群だったりしても話しそのものは成り立つ。ぶっちゃけ、隔離されている伝染病患者のコミュニティの一員との交際だと思ってもそんなに違いはない。そう思うと、ヒロインが主人公の血を吸いたくなるという衝動でさえ、病原菌が宿主を増やしたがっているだけに思えてなにやら興ざめである。そういう読み方をするほうが悪いとはわかっているんだけど、この作者、あきらかにそのあたりをぼかして書いてるでしょ。主人公が吸血鬼について無知すぎるあたり、確信犯だと思う。

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