宮部みゆき「日暮らし(上)(中)(下)」
「ぼんくら」の続編ってことで楽しみにしていたはずなんだけど、読むのが延ばし延ばしになっちっゃて、すっかりもとの話を忘れてしまった。登場人物もまったくピンとこないぐらいだから、よほど間隔があいたんだろうと思う。ちなみにこの日記は2005年1月9日から書いているが、「ぼんくら」の感想はない。少なくとも9年以上は前ってことなんだろう。というわけなので、「ぼんくら」すっ飛ばしていきなりこれを読んじゃったとというひととたいして違いはないと思う。
そんな感じで読んだんだけど、前作を忘れていてもそれほど気にならない。もちろん憶えていたほうがより楽しめるだろうけど、主人公の同心、平四郎と彼を取り巻く江戸の人々の生き生きとした暮らしっぷりや、地に足の着いた考え方なんかは、時代物というジャンルのきれいな部分だけをうまく掬い上げたという趣きがある。ひとの心の暗部やこの時代の貧富の差について触れる部分もあるけれど、スパイスレベルにおさまって本編の味わいを損なうことはない。そこが物足りないという向きもあるかもしれないが、これはこれでいいんじゃないか。
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