京極夏彦「百器徒然袋─風」
ひさしぶりに京極夏彦を読む。今回のは、榎木津礼二郎メインの話。語り手は、新参の下僕である本島君。何か過去の事件がきっかけで、下僕にされてしまったようなのだが、まったく記憶にない。たぶんキャラクターばっかり追っかけているような読み方になってるんだろうなあと反省したが、しかし、そもそもこの本島君というキャラクターを覚えていないのだった。
本作は三本の長編が一本にまとまった連作である。上中下巻に分かれていてもよさそうなものだが、当然のように一巻モノ。分厚くて携行に不便。しかも、榎木津モノだから読んでいる最中に吹き出してしまうことも多い。こんなもの通勤時には読めないなあと思っていたのだが、木曽駒ヶ岳で雨で山小屋の中に寝転がっていた時や、ロープウェイ待ちの間に最初の一編を読んで、残りは通勤中に読んでしまった。いつものことだけど、この長さだというのにまったく飽きずに読めてしまう。榎木津礼二郎に振り回される登場人物の面々には申し訳ないけど、もっとバンバン振り回されちゃってくださいといいたい。
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