神林長平「膚の下<上><下>」
ひところは神林長平作品となると文庫化が待ちきれなくてハードカバーで買って読んだものだったが、これは文庫版。文庫本が出るまで待ったわけではなく、ハードカバー売り場に近寄らなくなったため、出ているのを知らなかったというのが真相に近い。実はそれだけではなく、ひょっとしたらハードカバーで買っているかもしれんなあと思って、文庫版が平積みにされているのを買わずにいたため、さらに読むのが遅れてしまった。読み終わった今も、もしかすると家のどこかにハードカバーが隠れているんじゃないかという疑念が完全に晴れない。まあ、しかし、きっとないんだろう。
ということで、「膚の下」だがあまりおもしろくなかったというのが正直なところ。アートルーパーと呼ばれるアンドロイドのひとり、慧慈が主人公なのだが、なぜこの主人公に人望があるのかがよくわからないし、この主人公の思いつきに近いアイデアをもとに展開していくストーリにも奇異に近い感覚を受けた。それが少し腑に落ちたのが、笠井潔の解説。なるほど。でも、おもしろく感じられなかったってのも事実なんだよね。
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