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岡本綺堂「影を踏まれた女」

岡本綺堂の百物語系怪談本である。ある時期に「半七捕物帳」を読んで、なんでこんなに古びないでいられるんだろうと不思議に思えたことがあったが、これもやはり古さを全く感じさせない。比較としては適当でないかも知れないけれど、現代作家の書く時代物のほうが時代がかっている。初出誌をみると、不詳のものをのぞいて大正13年から14年。それから80年を経てなお古びないってのは只事じゃない。と思いつつ、ふとこんな仮説を立ててみた。半七やこの怪談の舞台は江戸の末期から明治の初めのあたりが多いから、執筆から60年程度前の話になる。一方、現在の読者から見て、江戸の末期は140年以上前の話になる。140年前のものを、60年前のものを見る眼差しで眺めているから新しく思えるのでないか。
そんなわけないか。だって、この論法でいったら、どんな作品でも古びなくなっちゃうもんなあ。というわけで、岡本綺堂は只者ではないということを再認識したのであった。

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